隣の天然2 (赤×黒)


しかし 今回はひどい目にあったな、と暁は未だ 調子が戻らないのか腕をぐい、と前に伸ばした
風のシズカ達によって怪しげな術を受け 動物に変えられてしまった3人は、その姿から開放されて6時間がたった今もなお、完全に感覚を取り戻すことができないでいた
「身体動かした方がいいんじゃないですか?」
「いえ、無理に動かしてもケガをするだけです
 今日は安静にしていた方がいいと思います」
コキコキ、と首を鳴らしながら暁は さくらと蒼太の会話に苦笑した
いったいどんな術だったのか、細胞を変化させ人を動物に変えてしまうのだから、強引というか何でもありというか
強い催眠術か何かなのだろうかとも思ったが、身体に残るこの違和感や 確かに水中で呼吸していた事実に なんとも現代科学で解明できない神秘を感じ 実は少し敵を見直していた
世の中には不思議なことが多く起こり、全てが人間の科学などでは証明しきれないのだ
それを改めて知り、何か高揚に似たものを感じていた
いつか、余裕が出来たら 風のシズカや闇のヤイバの操る忍術を研究してみたいと思ったりもする

どこかぼんやりと、本調子に戻らない身体にだるさを感じながら 暁がソファに身体を預けていると、真墨と映士が戻ってきた
30分ほど前 身体が気持ち悪い、と
暁と同じく動物にされた真墨は 映士を相手に身体を動かしに出ていった
それがもう帰ってきたのか
「い、た・・・・・たたた、いたいっ」
「そこ座れ、明石ちょと支えてくれ」
見れば 真墨は全身ボロボロで手にしたタオルは血まみれになっているし、痛そうに抱えている脇腹も うっすらジャケットに血がにじんでいる
「どうした、ひどいな」
暁がソファから立ち上がって 映士に支えられていた真墨の身体を抱きとめるようにして そのままソファに座らせる
「最悪だっ
 いつもなら絶対よけれるのにモロにくらった・・・っ」
イタタタ、と
身体を折り曲げるようにして痛がる真墨に 映士が申し訳なさそうに新しいタオルを出してきて渡している
「医務室に行ってください、こんな大怪我」
「行ったけど開いてなかったぞ、しまってた」
「いやぁ映士も手加減なしだね
 さすがにあの技マトモにくらったら痛いよねー・・・」
えぐいなぁ、と
自分も痛そうに顔を歪めた蒼太に 暁は苦笑してソファにへばりつくようにして身を丸めている真墨の身体を抱き上げた
「う・・・っわ」
かっ、と真墨の頬が赤く染まる
「なにすんだよ・・・っ」
だが、抵抗しようにも身体中が痛いのか またすぐに丸まるように暁にしがみついて恨みがましい目で宙を睨んでいる
「医務室に行ってくる」
「でも、今日はドクター達は全員 本部の健康診断に借り出されてますよ」
「俺が処置する、皆は適当にしてろ
 菜月の具合が悪くなりそうなら連れてこい」
「はい、さっきからよく寝てるから大丈夫だとは思いますが」
心配気なさくらに一度視線をやって 後を頼むと、暁は真墨を連れてサロンを出た
こうしているだけでも どこか気だるさが残っているのだから、こんな身体で訓練だなんて無茶だったなと
真墨が映士と訓練場に行った時に思い至らなかったことに 少しだけ悔やんだ
まぁ、痛がる元気があるから たいしたことはないのだろうけれど
それにしても 自分の身体なのに感覚が戻らないこの不快感とは、一刻も早く縁を切りたい
真墨の言うように、使えば使うほど、時間がたてばたつほど、身体を動かせば動かす程、直るのが早くなる気はするのだが

鍵のかかっている医務室をカードキーであけて ベッドに真墨をおろすと わずかにうめいて真墨は小さく息を吐いた
「服を脱げ、血は止まってるのか?」
「多分・・・」
もぞもぞとジャケットを脱ぎ 中のシャツを脱ぐと 痛そうに抱えていた腹に大きな痣ができている
その中心からじわじわと血がにじみ出て ジャケットを血に染めているようだ
「止まってないな、そこに横になってろ」
おとなしく言われるがまま ベッドに仰向けになった真墨は 思ったより傷がひどくなかったことに少し安心して 目を閉じた
痣はヘソのあたりから直径15センチほども広がっているが 痣ならいずれ消える
「安心するのはまだ早いぞ、内蔵を傷つけてるかもしれんからな」
「え・・・っ」
(まぁ、見たところ平気そうだが)
「え、ど、やったらわかんだよ、そんなの・・・」
「触ったらわかる、手をどけろ」
痣が痛むのか 血で汚れることもかまわずに手で押さえていたそれをはずさせて、暁は医療用の手袋をはめて 傷口に触れた
あからさまに真墨の顔がゆがむ
だが、声を出すまいと必死に耐えているのか くぐもった呻きが一度もれただけだった
「大丈夫そうだな、血を止めるてやるから 力を抜いておけ」
暁の言葉にほっと安心して、真墨は目を閉じた
時々 うっかり悲鳴を上げそうになる程の痛みが走っていったが、何とかこらえる
ケガは慣れているし、治療だって慣れている
最初は驚いたけれど、暁はどんな傷だって処置してみせるから 最近はこんな風に医者ではなく暁が手当てしてくれる方が安心していられる
治療に痛くても、それはベッドの中でひどくひどくされる時ほどには 辛くはないから

一通りの処置を終えた暁は、疲れた様子でベッドの脇に腰掛けた
(そういやコイツも動物になったんだった)
金魚って、と思い出して笑いかけた真墨に ふいに暁がおおいかぶさる
「え・・・?」
「いいかげん、この自由のきかない身体にもうんざりだな
 少し 身体を動かすか」
「だから、俺はそれやってこうなったんだよっ
 普段の10%もマトモに動けないぞ、目だってついてかないし危ないって」
言いながら なんで そんな話をしながら迫ってくるんだろうと思いつつ 唇が触れたのに思わず目を閉じた
ドクンと身体が熱くなる
そのまま暁の手が身体中をまさぐっていくのに ようやくピンとくる
身体を動かすってこういうことか
ドクンドクン、と 一気に熱が上がる気がした
「明石・・・っ」
暁はいつもより丁寧に身体中に舌を這わせて、ぴく、と震える真墨の身体をじっくりと慣らして濡らしている
「あんたは感覚あ・・るのかよ・・・っ」
「半分くらいだな、戻ってるのは
 お前は?」
「わ・・かんね・・・っ」
濡れたものを口にふくまれて、ぶるっと震えた
暁の熱い口内の感触、ぬる、とした舌が執拗に先端を攻め上げて 真墨のたらす透明な液を舐め上げる
「ひ・・・っん・・っ」
ぎゅ、とシーツを掴んで震えた
こんなに感じているのだから もう感覚が戻ってる気がする
早くも、欲しくてたまらない気持ちになっている
こんな場所で、こんな行為に
「う、ん・・・ぅ、ぁぅ」
「お前もまだ半分くらいだな・・・」
ひくひくと、求めはじめてじんわり濡れている部分を ゆっくりと暁の指がかき回していく
真墨の感じる部分ばかりを知り尽くして攻めてくるやり方に ぞくぞくと背を快感が駆け抜けていく
「んぅぅう、うぁぅ・・・っ」
息遣いが荒くなる
熱も上がる
こんなことして傷開かないだろうかと、一瞬思ったが そもそも暁からはじめたことだ
傷が開いたって また処置してくれるだろう
文句の一つも言いながら また彼に手当てされるのも悪くない
「いつもなら、2.3回はいってるのにな」
くく、とおかしそうに暁が笑った
そのまま、腕を取られて抱き起こされ、そのままひっくり返されて四つんばいにされた
「な・・・んだよっ」
「お前が犬になったのを見てたら こういうポーズをさせたくなった」
「アンタなんか金魚だったじゃないかっ」
「なかなか貴重な体験だったな、あれは」
後ろから笑い声がする
屈辱的な体位
強い力で上から押さえつけられて、腰を抱かれた
ゾク、とする
そのまま、待ち望んだものが挿入されるのを感じ 喉が震えた
全身が震えた
いつもの半分しか感じてなくたって、充分だ
この身に深く穿たれるものの熱を必死で感じて 真墨は声を上げた
暁に何度も突き上げられ、壊れそうになる

暁は真墨の傷が開かないよう、うまい具合に真墨の身体を支えていた
そもそも この体位が身体に余計な負担をかけないような体位なのだろう
何度目かの白濁を吐いた後、朦朧とした意識の中で なんとなく感覚が戻ったように感じながら 真墨はぐったりと目を閉じた
「なんだ、もうダウンか」
「俺はケガ人なんだからな・・・」
その言葉に 確かに、と上のほうで声がして ずるりと奥まで入り込んでいたものが引き抜かれる
「ひっ、あ・・・っ」
ぶるぶる、と
震えながら 暁のだしたものが太ももを伝っていくのを感じた
「あぁああ、あぁうう」
またいきそうになる
そんな真墨に口付けすると、暁はベッドの横のカーテンを引いた
「しばらく寝てろ
 目が覚めた頃には 元に戻ってるだろう」
「あんたは?」
「俺は今のでほとんど戻った」
カルテを書いて部屋へ戻るよ、と
言いながら、傍の棚から何かの書類を出してきた
丁度、そのとき

「明石・・・真墨は大丈夫か?」

医務室に映士が入ってきて、真墨はカーテンの向こう、慌てて毛布にもぐりこんだ
(明石の奴 鍵かけてなかったのかよっ)
やってる最中に誰か入ってきたらどうするんだ
ドクンドクンと鳴り出した心臓を必死に押さえながら 真墨は毛布の中 聞き耳を立てる
「たいしたことはなかった、1週間ほどで治る
 今はそこで寝ている、心配はいらない」
「ならよかった・・・
 オレ様もつい本気でやってしまったから気になってたんだ」
まぁ、あの程度でくたばるようなタイプじゃないだろう、と軽い口調の暁に 映士はどこか真剣な顔で一歩近づいた
「そうか・・・ところで明石
 おまえ 真墨に何かひどいことしてないだろうな?」
ん?と
その声色に 暁は書いていたカルテから顔を上げて映士を見る
大真面目な顔をして おもしろいことを言うなぁと ふと笑いそうになるのをこらえて 暁はやんわりと聞き返した
「ひどいことって?」
「意地悪したり、殴ったり、治療をわざと痛くしたりだ」
(意地悪ってなんだよ、意地悪って・・・)
真墨は、毛布の中で赤面しながら わなわなと震えるのを必死で堪えた
いくら天然だからって、もっと他に言い方があるだろう
幼稚園児じゃないんだから
「意地悪ねぇ」
くく、と 映士の言葉に暁は面白そうに笑った
暁も真墨と同じような感想を持ったのだろうか
もっと他に言い様があるだろうと
「どうしてそんなことを言う?」
「お前 時々真墨にひどいことしてるだろう
 オレ様は弱いものイジメは好きじゃない
 力の差が歴然としてる相手には 手加減してやらないと可哀想だろ」
この前聞いたようなことを 今度は暁本人に言っている映士に 真墨はクラクラと眩暈を覚えた
違うって言ったのに やっぱり聞いてなかったのか
そもそも何でこんなにも自分を心配しているのか
暁に「意地悪」されているかどうかなんて、映士には関係ないだろうに
(しかも誰が弱い者だ、あいつ・・・っ)
思いつつ、暁が何と答えるのかと耳をすませた
動揺なのか何なのか 心臓はドクドクいいっぱなしだ
「一つ間違ってるぞ、映士」
そう言う暁の声はいつもの調子
慌ててもいず、怒ってもいず、むしろ楽しんでいる、そんな感じ
面と向かって あんなことを言われても平気そうな暁の神経に 真墨は小さくため息をついた
バレたらどうしようとか、まさかバレているのではないかとか
そんな風に心配したりすることが 暁にはないのだろうか
一度でいいから、暁の慌てた顔を見てみたい
「いいか、映士
 お前風に言うとだな、真墨は意地悪されるのが好きなんだ
 虐められると嬉しいんだ
 だから虐めてやる、あいつは喜んでるんだからいいんだよ、これで」
一瞬、真墨は言葉を失って
同じように、映士もポカンとしたように言葉を失った
「そんなことあるわけないだろ、虐められたい奴なんかいるか?」
「真墨はそうなんだよ
 だいたい オレが本当にあいつが嫌がってるのにひどいことをしていたら あいつはあんなに懐いてこないと思うがな」
言い切るから説得力があるのか
それとも普段の自分に それを思わせる何かがあるのか
映士はムチャクチャな暁の言葉を 今の一言で信用してしまったようだった
「そうか、真墨も嬉しいならいいんだが・・・」
そう言った声は どこか安心したような声だった
(誰が懐いてるだっ
 映士もすんなり信じるなバカっ)
今にも飛び出していって暁に掴み掛かりそうな勢いの自分を必死に抑え、真墨はギリギリと歯がみした
「映士は真墨によくかまうな」
「弟ができたみたいで嬉しいからなっ
 オレ様が面倒見てやるんだ」
カーテン一枚越しの向こうでは まだのんきな会話が続いている
「それは結構だな、面倒みてやってくれ」
「わかった」
そうして、一通りしゃべって満足したのだろう
クツクツと笑う暁の声を聞きながら 映士は医務室を出ていき、ドアが閉まると同時に真墨はベッドから飛び起きて暁につかみかかった
「あんたなっ、変なこと言うなよっ
 映士信じたらどうするんだよっ」
「ははは、信じてたぞ」
「バカかっ、誰が虐められるのが好きだっ
 あることないこと言うなよっ、変な目で見られるのは俺なんだぞっ」
真っ赤になってわめいている真墨に笑いながら 暁は一度口付けた
「なっ・・・にすんだっ」
吼えてみるが、あからさまに声が震えた
そのまま腰を抱き寄せられ どくんとまだ冷めていない身体がうずいていく
「ひん・・っ、やめ・・・っ」
首筋を舌が這い回る
強い腕が腰を抱き、長い指が濡れている中にまた進入してくる
「ひぃ、やぁ・・・っ、い、いやだあかし・・・っ」
ぶるぶると 身体中が震えた
さんざんやられたのに、まだ高ぶる身体
いつも暁が こんな奴見たことがないと言う程 淫らな身体
「こうやって、虐められるのが好きだろ?」
「すきじゃない・・・・・っ」
「なんだ、じゃあ今度から丁寧に丁寧に扱ってやろうか?
 大切に壊れないようにそーっとしてほしいのか?」
くちゅくちゅと、中に入ったままの白濁をかき出すように 暁の指が動く
必死に暁にしがみ付いて いやいやと首をふった
頭がグラグラする、いきそうになる、こんな風にされると どうしようもなくなる
「やめ・・・っ、や、あ、あ・・・・」
ぐら、と気を失いそうになった
それを胸の突起に歯をたてられて正気に返される
「いっ、あぁぁ、ふ・・・」
「限界までこうやってグチャグチャにされるのが好きなんだろ?
 こんなに濡らして喜んでるじゃないか」
じゅく、と しずくを垂らしたものを握りこまれて 気が遠くなった
そのまま、声にならない声を上げ 堕ちていく
暁の与える快楽のままに
暁の、思うがままに

結局 真墨はその夜を医務室で過ごし 朝方目覚めてヨロヨロと自室に戻った
途中、サロンの前を通りかかり、一番会いたくない奴に出会ってしまう
「なにしてんだよ・・・こんな時間に」
まだ4時だぞ、と
言うと 相手は真墨を心配そうに見た後 朝の走り込みが終ったところだと言った
(そうか こいつ夜9時に寝て朝3時に起きるとか言ってたっけ)
早寝早起きと言っても限度があるだろうと思いつつ 余計なことをいわれないよう そそくさと退散しようとする
そんな真墨に、映士の声が追い掛けてきた
「真墨、お前が明石に虐められるのが好きなのはわかったけど
 もし虐められすぎて本当に嫌になったらいつでもオレ様に言えよ」
オレ様が守ってやる、と
その言葉に真墨は真っ赤になった
しっかり信じてしまっているじゃないか
これじゃ自分がマゾみたいだ、言っておくがそんな気は断じてない
一切ない
「勘違いすんなよっ
 明石が言ってんのは全部嘘なんだから信じるなっ」
吠えて、
あんまり腹から声を出したから また傷が痛んで真墨はぎっ、と映士を睨み付けた
「明石は嘘をついてない、オレ様にはわかる」
「おまえ俺より明石を信じるのかよ」
「そういうわけじゃないが オレ様の直感が明石が正しいと言ってる」
無邪気に笑ってみせた映士に 真墨はまたクラクラした
(ダメだ、この天然には何言っても無駄だ・・・)
これ以上つきあってると また体力を消耗する、と
真墨は諦めて フラフラと廊下を自分の部屋へと歩いていった
「真墨っ、気をつけろよ」
後ろから、映士の声が追い掛けてくる
暁のせいで、余計な誤解をされたまま わけのわからない言い掛かり的な心配をされ続けるのだろうか
「俺がお前にどんなひどいことしてるか、想像もしてないだろうな」
奴が帰り際 おかしそうに言ってた言葉が甦ってくる
1人 楽しそうにしやがって
どんなひどいことって、何だよと
つぶやいて 真墨は気絶するまで何度もされた行為を思い出し 真っ赤になった顔をぶんぶんとふった
未だに全身が震えるようになる、思い出しただけで
その熱を感じそうになる、与え続けられたものを身体がいつまで覚えているから
(う〜〜〜・・・くそ・・・・)
限界までひどくされるのが好きだろう? とか
壊れるくらい乱れるくせに、とか
なまじ、暁が言うことが外れていないだけに、
心のどこかでそれを求めていて、与えられるとたまらなく感じてしまうから余計に
悔しいのだ
結局 暁ばかりに支配されているこの自分が
映士の言うような、自分が

真墨は、小さく溜め息を吐くと、ヨロヨロと自室へと戻っていった
とりあえず、映士が他に余計なことを漏らさないよう願いながら 自覚しているこの想いを隠していよう
暁は嘘つきだと、
求めてなんかいないと、言い続けていよう


女の子お絵かき掲示板ナスカiPhone修理