性癖3 (赤×青)


長い一日だった
真墨が信頼したように、暁の行動には理由があることがわかってから 残された4人は力を合わせて暁のいる孤島まで辿り着いた
結局、暁はサージェスを敵に回さないように、とか
仲間を危険な目にあわせないように、とか
そういう理由ではなく、単に宝の地図に熱くなったんだと言って笑っていたけど
「アンタってほんと、冒険バカだよな」
「お前にいわれたくないな」
「アンタと一緒にするなよ、俺はもっと慎重に行動するっ」
暁と並んで歩く真墨を見ても 胸は痛んだし、
真墨に笑いかけてる暁の横顔を見ても 苦しくなった
菜月は人形が戻って御機嫌で、さくらはきつく殴り過ぎたことを少し気にしながらも どこかすっとしたような、満足したような顔をしている
今回の件に関して、暁の本意がどこにあろうと めでたしめでたしで、
こんな場所で一人戦っていた暁の 頬や腕の傷を見ると無性に、
無性に腹がたった
自分一人が悶々としていて、気がすんでいない
真墨のように、暁を信じられなかったことが悔やまれて
彼がいつも、自分に対してそうであるように どうして自分も暁を無条件に信じることができなかったのかと
何度も何度も、思った
菜月に対して 謝らなくていいと暁が言ったから
蒼太は謝れなくなってしまった
だから、まだ自分は許されていないと、そう感じる
暁の側にいる資格がないと、そう思う

「どうした、ボーっとして」
医務室で傷の手当てを受けている暁を横目で見ていたら、突然そう声をかけられて蒼太はハッとして暁の顔を見た
「え・・・」
「何をさっきからボーっとしてる?
 この傷が気になるのか?」
「あ・・・いや、その・・・」
頬にかすり傷
腕に包帯、そして今 肩の一番大きな傷に包帯が巻かれていっている
「あの・・・」
連れ去られるマシンに一人残って、あの孤島で戦って、宝を回収してのけた暁の戦闘能力とハントの腕に驚かされる
たった一人でマシンを動かすのだって、身体にどれだけの負荷がかかるか
訓練でだってやったことがないのに、いきなり実戦でやってしまうところも
生身の身体で、あんな場所に乗り込んでいくのも 信じられない
どんな場所かもわからないのに
敵はたくさんで、自分はたった一人なのに
「一人だとは思ってなかったぞ
 俺は、お前達はかならず来ると信じてた」
蒼太の言葉に、暁は手当ての終わった腕をぐるん、と動かして そう言った
「だって・・・僕達は・・・」
上着を羽織るのを見ながら 別れる前の戦いを思い出す
暁に背いて、待機命令を無視したし、戦闘で協力しなかった
なのに、そんな自分を 暁は来ると信じていたというのだろうか
心を合わせなければ乗りこなせないマシンの中で 何かとつっかかって口論した自分を
暁を信じられなかった、こんな自分を
「俺はいつだって、仲間を無条件に信頼してる」
言わなかったか、と
暁は言って立ち上がった
医者に礼を言って医務室を出る
その後ろ姿を慌てて追った
「待ってくださいっ、チーフ・・・っ」
腕にすがった
今の自分に、その言葉は何よりきつい
真墨の言うとおり、暁はいつだって自分達を信頼してくれている
他人を信じるということは とても勇気がいることで
裏切られることを恐れる弱い人間は、人を信じない
自分が傷つかないように
与えただけの信頼をもらえなかった時、言い訳できるように
自分を、守れるように
「チーフっ」
声が震えた
先々歩いていく暁は 聞いているのかいないのか立ち止まってはくれない
「僕はチーフを信頼できなかったっ
 だから、あんな風に疑って、背いて、それで・・・っ」
それで、と
暁を見ると 苦笑したようにようやく目を合わせてくれた
「それで?」
いつもの声
「別に俺はそれでもかまわん
 信頼なんてものは、強要されてするものじゃないし、まして命令されてするものでもない
 お前が俺を信頼したいと思った時にしてくれればいい」
なんでもないことのように言う声
あの孤島で 全てが片付いた時 笑ったのと同じ
暁の本意は見えない
深すぎて、蒼太などでは その心の全てを読み取れない
「僕は・・・、チーフに謝りたかったんです
 あなたを、信頼できなかったことが・・・悔やまれて・・・」
真墨は、信頼してた
だから、戦いのあと 暁と一緒に笑ってられた
でも、蒼太はできなかった
これでは自分の方が裏切り者だ
暁は想いをくれていたのに、
自分は物事をきちんと見ることができず、隠し事をされたことにカッとなって 表面だけで判断してしまった
暁の言葉や行動の意味を、表面に見えている情報だけで判断してしまった
本意はもっと別のところにあったのに
「チーフっ」
暁の部屋の前についても、蒼太は暁の腕を放さなかった
ポケットからIDカードを取り出してドアを開ける
それを引き止めるように、腕に力を込めた
「僕に・・・罰を与えてください・・・っ」
まるで懇願するような声だと思った
許されたい
そして、真墨のように 暁の側で笑いたい
暁の信頼に応えられなかった自分を罰してほしい
そうすれば、救われる
この悶々とした苦しいものから、救われる
「俺は別に怒ってないぞ」
「でも僕の気がすまないんですっ」
「・・・お前はやっかいだな」
「お願いしますっ、
 このままじゃここにいられないっ」
暁が、苦笑して溜め息を吐いた
今にも泣いてしまいそうにグラグラしている
それを必死にこらえながら、暁の次の言葉を待つ
祈るような気持ちでいる
菜月のように謝ることができないなら、どうか
罰を与えて許してください
ここにいる資格をください
もう二度と、暁を疑ったりしないから
与えられる信頼に、自分も信頼で応えるから

「じゃあ、望み通り罰を与えてやる
 服を脱いで 後ろをむいて、そこの壁に手をついて足を開け」

暁の声はいつも通りで、
まだ電気のついていない部屋に ぐい、と押し入れられながら蒼太はブル、と身体を震わせた
シンプルに片付いた暁の部屋
主人がずっと留守だったから、妙に寒い気がする
「早くしろ」
声をかけられて、ドクンと心臓が鳴った
支配する者の声
蒼太の好きな、揺るがない声
自分の心臓の音を聞きながら、蒼太は言われたとおり壁に手をついて足を開いた
震えそうになっている
自分から言い出したことに、足が震えてちゃんと立っていられるか不安になる
「さて、どうするかな」
暁の気配、腰に手が回る
額を壁につけながら、ぎゅっ、と目を閉じた
暁の手が蒼太の震えるものを掴んだのに びく、と背が反り 声が漏れそうになった

「ふ、う、あ、あ、あ・・・・・う」
くちゅ、と水音が響くたび 頭の芯が麻痺しそうになって
がくがくと足も腕も震えた
暁の舌が 首筋や背を這っていく
手はやわらかく蒼太の濡れたものをしごきあげて、くちゅくちゅと淫らな音をたてている
「んぅ・・・あ、く・・・ん」
「声を出すなと言ってるだろう」
「ご、め・・・・なさ・・・」
身体に与えられる快感
やんわりとした刺激
こんな風に まるでいかせようとしているかのように触れるくせに
けしていかせてはくれない愛撫
舌で、指で高められるけれど、それ以上はもらえないこの行為
「ん・・・う、あ・・・・っ」
ぶるぶると震えながら、立っているのも必死で
その上 声を出すなと命令されている
自分の手で口を抑えながら、それでも漏れる声を 押し殺そうと、蒼太は必死に歯を食いしばった
中をかきまわす暁の指が、蒼太の感じる部分を擦りあげる
ぞぞそ、と背中に何かが駆け抜けていって どうしようもなくなった
いきたい、でもいかせてはもらえない
昂って透明の雫を垂らしている蒼太のものは、きつく根元で縛られて解放を許されない
「お前には丁度いい罰だろう」
これくらいが、と
言った暁は それから蒼太を優しく優しく扱った
痛みがなくては 蒼太はイけないし、
かといって与えられる刺激に感じないわけでもない
決定的に解放が許されないこの優しい愛撫はまるで拷問のようで
蒼太は声を上げることすら禁じられている
「んぅ、う・・・・・あふ・・・っ」
「蒼太、何度言わせる
 声をあげるな」
「ひぐ・・・ご、ごめんなさ・・・」
ぶるぶると震える身体
もう立ってもいられないと思った時 腰を強く抱かれて 一瞬身体が浮いた
「ふ・・・っあっ」
途端 感じるほぐされた入り口への圧迫感と疼き
「んぅ・・・っ」
壁から少し放された身体が、ガクガクと震えた
「あ、あ、あぅ・・・・んぅ・・・っ」
痛みは感じない
ただ快楽があるだけ
ぞくぞくと全身をたまらないものがかけていく
こんな風に暁に奥まで犯されても、イくことはできない
頭が麻痺してどうにかなりそうでも、解放は許されない
ズク、ズクと、中をこすっていくものの熱を感じて 声を押さえるなんてできなかった
咽が震えて、床にぼたぼたと涙が落ちていく
「んうっ、う・・・あ、あ、あ、あ・・・・」
たまらなくて声が漏れる
それに苦笑して、暁は片方の腕を蒼太の顔に回してきた
「おまえはこんな簡単な命令一つきけないのか?」
「あぅ・・・ん、う」
そのまま、暁の長い指が口の中にはいってくる
舌をなでるようにされて、ぞぞぞぞと身体中が緊張した
だ液が顎を伝っていく
「ん・・うー・・・・」
身体を放して、それから一気に沈める
それを何度か繰り返され 気が遠くなった
とっくに身体は限界を超えていて、
こんな風にされたら 痛みなんかなくたってイけるほど高められて弄られて
どうしようもなくなっている
それなのに、達することができない
戒められたものは、ズキズキと自分のものじゃないみたいに脈うって痛いほど
「う、う、う・・・・ふ・・・く・・ん・・・っ」
頭がぐらぐらした
声を出すことが許されないのも、苦しくて
いつまでもいけないのも、辛くて
なのに愛撫は容赦なく身体中に降り注ぐ
もう足からは力が抜けて、腕も身体を支えてはいない
ただ暁に抱かれている腰と、繋がっている部分だけ
もう自分ではどうしようもない
完全に暁に身体を預けている
意識も、もう保っていられない
正気でなくなる程、感じて狂ってしまいそうだ
真っ白になってしまいそうだ

「今度声を出したら 俺はお前を許さないからな」

耳もとで囁かれて、びく、と
蒼太は涙のたまった目を見開いた
暁の指が そそり立ったまま どうしようもなくなっているものを弄り出す
舌が背を這っていく
どうしようもなかった
でも、必死で歯を食いしばった
ずくん、と奥が熱くなる
震えて、上げそうになった声を飲み込んだ
何度か突き上げられて、身体が震えた
心も震えた
もうどうしようもないくらいに感じて、感じて、感じて、
これ以上は無理だと思った
途端、意識を失った

「・・・まったく、本当にやっかいだな お前は」

遠くで声がする
うっすらと目をあけると、天井が見えた
「チーフ・・・」
「気がすんだか?」
「は・・い・・・」
気付けばソファに寝かされて、戒めは解かれている
身体を起こすと、ぞわぞわと熱がまだ身体に残っているのを感じた
「お前のその性癖はやっかいだな
 あまり自分を責めてると身が保たんぞ」
苦笑する暁を見上げると いつもみたいに笑っていた
こだわっているのは自分だけだ
暁は 彼が言ったように怒ってもいなければ気にもしていない
信頼できなかった蒼太を、責めもしない
でも、だからこそ、辛い
いっそ、なぜ信じてくれなかったのかと罵ってくれれば楽なのに
「俺はそんなに優しくないんでね」
言って、暁はソファに膝をついた
「気が済んだならいい」
だからもう泣くな、と
未だ涙の止まらない蒼太の髪を 暁はくしゃと撫でた
そのまま、起き上がった蒼太の身体をソファに押し付けて ぐったりと萎えた足を持ち上げる
覗き込むように蒼太を見る暁の目はね言葉とは裏腹に優しくて穏やかだった
「え・・・・」
「罰は終わりだ
 お前は許された、だからイかせてやる」
このままじゃ辛いだろう、と
もう一度、まだ熱の冷めない身体を繋げた暁に 蒼太はたまらなく震えた
いつも、彼がそうするように痛みを与えながら抱いてくれる
散々に弄られた身体はすぐに絶頂まで高められて
求めていた痛みを与えられて、蒼太は声を上げて白濁を吐いた
許されて、ようやく胸のつかえがとれた
明日からまた、暁の側にいられる
そう思ったら、たまらなく感じた
どうしようもなく、暁を求めている
暁に、支配されたいと願っている


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