2回目の嫉妬 (赤×黒)


蒼太が探し出した覇者の剣を取ってこいと言われて、真墨は朝から出かけてきていた
「何で、俺達3人なんだよ」
面子は蒼太とさくらと自分の3人だけ
暁が一緒に来ないのが不満だというわけではないが、と
自分に言い訳しながら つぶやいてみる
「やー、それはアレだろ
 先方に話はつけてあるから 今回はブツを引き取りに行くだけだし全員で行くこともないって
 そういうことだろ?」
「だったらお前一人で充分じゃないか」
「うんまぁ、そうだけど一人ってちょっと不安じゃない?」
「何だよ、女じゃあるまいし
 引き取ってくるくらい一人でできるだろ」
「ブラック、私語は慎んでください
 見えました、あの寺にプレシャスがあるんですね」
別に ここに暁がいないのが嫌なんじゃない
ただ 特に危険も伴わない 単なる回収の仕事に自分が回されたのが気に入らない
聞けば 暁は新しいマシンの試乗訓練をしているとかで朝から地下に隠りっぱなし
指令だって牧野から聞かされて、いい気はしなかった
暁だけ新しい戦力のための訓練で、自分はお使いだなんて
しかも、蒼太と一緒に、なんて

「や、ごめんね
 今回チーフいないけど」

朝イチ 蒼太はヘラヘラ笑ってこんな風に言ってきた
暁がどうしたっていうんだ
確かに自分は暁を超えるためにここにいて、暁に認められたくて戦ってる
だけど、それは自分と暁の問題で
蒼太にどうこう言われることじゃない
暁と一緒に任務がしたいとか、そんな気色の悪いことは考えてない
なのに 奴は笑って言う
「やー、真墨はチーフがいないと寂しいかなと思って」

誰が寂しい、だ 気色悪い、と
真墨は蒼太の後ろ姿を睨み付けた
あまり好きではない人種だ
情報収集能力に優れているからと、財団にスカウトされたらしいと聞いた
たしかに、日々の任務と訓練の空き時間に 奴はかなりの情報をさばいてる
今回のプレシャスも、わずかしかなかった情報をたよりに 奴が何日もかけて調べ上げ とうとう在り処を探し出した
3本のうち、2本の在り処がわかった時点で とりあえず1本目を確保しておけと指令が下り
こうして ボウケンジャーが出動している
覇者の剣を保管してあった寺は、財団の申し出を快諾してくれたから
その時点でほぼ仕事は終わったようなものだったのに

「こんな仕事なら菜月だってできるだろ」
暁が来ないような任務、こなしたってレベルが上がるわけでもないと
言ったら さくらが隣で睨み付けてきた
「任務に、レベルや重要度において差なんかありません
 このメンバーはチーフの考えがあって組まれたものです
 文句を言う前に、きちんと完了させてください」
「ヘイヘイ」
溜め息を吐く
ここまで来ているのだから、もうどうしようもないのだけれど
やっぱり不満は口に出る
「菜月ちゃんは今日はカウンセリングの日だからねー」
何考えてるのかわからないような、蒼太と並んで歩くより
そこにいるだけで魂が震えるような、あいつの側がいいと そう思う

寺の一室に通されて、覇者の剣と御対面して
寺の巫女にそれを奪われて、そのまま逃げられた時 真墨は目眩のようなものを感じていた
散々、簡単すぎるミッションだとか
3人もいらないだろう、とか
言ったけれど、この様は何だ
まんまと奪われて、逃げられてしまった
あげく、蒼太はあっけらかんとして笑ってさえいる
「ありゃりゃ、逃げられたか」
「逃げられたかじゃないだろっ、このバカッ」
「仕方ありません、一度戻りましょう」
溜め息を吐いたさくらの横顔に、本気で気が滅入った
暁がいないと こんなに簡単なミッションさえこなせないのだと、
そんな風に思われたくない
一人でだって、何でもできると見せつけてやりたいのに
だから自分を、こんなくだらないミッションのメンバーに入れたりするなと言いたかったのに

(ああもう、何でこんな任務でミスるんだよっ)

だいたい蒼太がいけないのだ
相手が女だからって手加減しすぎだろう
訓練での奴はあんなものじゃないし、普段ならもっと動けるはずだ
それを あんなに簡単に取り逃がすなんて
手を抜いてたとしか考えられない

「それで? プレシャスは?」
サロンで、
報告を聞く暁の顔は 真墨の座ったソファからは見えなかった
「すみません、失敗しました」
さくらの言葉に 苦笑したような気配がある
怒るだろうかと思った
ただ寺からもらってくればいいだけのミッション
邪魔が入ったからといっても相手は二人
しかも一人は女
数でも戦力でも、こちらが勝っていたのに
「相変わらず女に甘いな、お前は」
歩きながら、暁が蒼太の肩に手を置いた
仕方ないな、というような口調
蒼太は すみませんと笑って それから暁を見た
二人の視線が交差する
瞬間、ムカ、とした
何なんだ
怒らないのか
自分には ちょっとのことで怒るくせに、蒼太にはそれだけか
もう一本はどこにある、なんて もう次の話をしている
蒼太はお咎めなしで、ひどい扱いなのは自分だけか
この間ひっぱたかれたのを思い出して、真墨はイライラと暁の後ろ姿を睨み付けた
普段から思っていたけれど、暁は蒼太に甘すぎないか
それは、奴が蒼太の実力を買っているからか
彼の力を認めているからか

悔しさだけが残った
イライラしたまま、地下へと向かった
この腹にたまっているものを、暁にぶちまけないと気がすまない

「なんだ、こんなところに何か用か?」
地下のマシンを置いてあるエリアは、広くて寒かった
普段ミッションに使うマシンだけでなく、その他の開発中のものから整備中のもの
まだ試乗テストがなされていないものまで ここには様々なものが置いてある
その中の一台
近々実戦で使えるように、と暁が今朝試乗したもの
それに、整備士たちが群がっている
見上げたら、暁が肩をすくめた
「エネルギーが強すぎて、人体に悪影響が出るらしくてな
 整備しなおすことになった」
午後からも、暁はこれの試乗と訓練の予定だった
一人だけずるいと思っていた
自分はくだらないミッションで、暁だけこんな訓練をするなんて、と
「・・・・・」
思い出して、また腹がたった
別になめてかかったわけじゃない
暁がいなくて、不満ではあったけれど
俺がいなければ何もできないのか、なんて言わせたくなくて
だからちゃんとやる気ではいたのだ
なのに蒼太が手を抜いたりするから
女に本気にはなれないだろ、とか何とかムシズが走るようなことを言ってヘラヘラ笑って本気を出さないから
あんな不様なことになって
明日は全員で もう一本の巻き物を取りに行くことになった

全部が全部 気にいらない展開で 悔しくて仕方がない
ミスったのは蒼太のせいだ
なのに、暁はそれを怒らない

「お前は最上に甘いよなっ」

イライラしたものを吐き出すように言ったら、暁が驚いたようにこちらを見つめた
「ミスったのはあいつのせいだろ、明らかに
 なのにお咎めなしってのが気に入らないっ」
真墨が彼を見るとき、背の高い暁を 少し見上げるようになる
今はいつものジャケットを着ていないから 黒いTシャツの半そでから伸びた腕が強そうで
なんとなく、また悔しさが溢れてきた
背の高さも、腕の強さも、かなわない
奴はいつも命令してきて、自分はいつも聞く側だ
今日のミッションだって、たいした危険がないと判断したから自分を行かせたのかと思うと どうしようもなく悔しくて暴れたくなる

「蒼太は万全じゃなくてな
 菜月じゃ戦力に不安があったから お前をつけたんだが」
苦笑して、暁が言った
「何が万全じゃないんだよ
 ピンピンしてるじゃないか」
「本部からの特令と今回のプレシャス捜索が重なって ここ2日ほど寝てないようだし、特令で怪我をしてる
 ・・・さすがに一人じゃ回収の時 何かあったら困るだろ?」
現に敵が現れたのだから、一人だったら無事では帰れなかったかもしれない
「さくらは俺の代理で行かせるとして、菜月じゃ心細いからお前をつけたんだが」
言って暁はにやりと笑った
人の悪い顔
こういう顔をする時 こいつはロクなことを言わない
身構えたら、おかしそうにククっと笑ってこちらを見た
強い目
意地悪な口元
ここに立った途端、どうしようもなく彼のペースにハマる自分がいる
「お前がいれば大丈夫だと思ったんだが、結局奪われたんだな
 期待はずれだぞ、真墨」
その言葉は笑っているくせに容赦がなくて、
暁独特の、強い揺るぎない自信に満ちあふれた目は痛かった
カッ、と頭に血がのぼるような感覚に堕ちる
期待していたなんて、言われるのも
期待はずれだなんて、言われるのも
この状況じゃ どっちもキツい
そして、真墨は言い返す言葉を失った

お前は蒼太に甘いんだ、と
思いながら それは言葉にできなかった
地下の冷たいコンクリートの床に膝を折って 真墨は唇から注がれる熱に意識をグラグラさせていた
何でこんなことをしているのかわからない
暁はマシンの整備で訓練ができなくなったから時間が空いているのだろうけれど
自分は暁に抗議をしたら とっとと戻って明日の準備をするつもりだった
もう一本のプレシャス回収に必要なものを渡すから、と
あとで取りにこいと牧野が言ってた
蒼太はもう一仕事あるからと言って去り、さくらと菜月が牧野についていったのを見送って ここに来た
どうしても暁に抗議がしたくて
どうしても暁に、今回の不様な失敗の言い訳をしたくて

「う・・・・っ」
唇が離れると、真墨は飢えたように呼吸を繰り返した
暁にくちづけされるのはこれで2度目
身体を重ねた数より少ない
甘くもなんともないキス
身体が熱くなるまで、目眩がするまで長くされる
呼吸を忘れる程の激しさ
解放されてようやく、震えながら息をつく
睨み付けたら、そのまま背を壁に押し付けられた
身体がくずれるように傾く
ダメだ
こいつに こんなことをされたら それだけでもうどうにもならないほどに感じる

「くそ・・・っ、なんでこんなことしてんだ・・・っ」
「たいした抵抗もしないくせに、口だけは達者だな」
遠くで整備士の声が聞こえる
こんな機材の陰になっているところには、人は来ないのだろうけれど それでも声をあげれば聞こえるのではないか
ジャケットを取られて、中のシャツもたくしあげられて
肌に舌を這わす暁に、真墨はイヤイヤと首を振った
「俺はお前に言いたいことがあったから来ただけだっ」
「ようするに、妬いたってことだろ?」
「な・・・っ」
カリ、と
胸の突起に歯を立てられて 出そうになった声を必死に飲み込んだ
「な・・・に・・っ」
「俺が蒼太に甘いって言いたいか?」
「ぐ・・・っ」
首筋を強く吸われて、ぞく、と何かが背中をかけていくのを感じた
図星だ
ということは、何か
こいつは自覚があるのか
自分は蒼太をひいきしてるって
彼には甘いって、そういう自覚があるのか
「お前みたいなガキが言いそうなことだろ?
 あいつには甘いとか、ひいきしてるとか」
言われて、また頭にカッと血が上った
「お前 俺があんなミスしたら期待外れとか言うくせにっ」
「言うね、お前には楽しませて欲しいからな」
耳もとで囁かれて、どくん、と腹の下が響いていった
さっきからもう身体が熱くて、
行為と言葉に感じている
どうしようもなくなりそうで、必死に唇をかんだ
こんな風に図星を指されるのも
ガキだと言われるのも 悔しい
翻弄されて、熱くなってる自分がどうしようもなく、どうしようもない
「ガキじゃない・・・っ」
「ガキだろ、お前は
 そんな風に考えるのも、わざわざこうやって来るとこも」
暁の手が腰に回った
ぞく、として 自然身が引ける
だが、身体はすでに壁に押し付けられていて逃げ場などなく、
上げさせられた足が視界に映った時には 身体の中心がどくん、とうずいた
「う・・・っ」
まさぐるように指が這う
声をあげないように必死になった
昂ったものをしごくように指がこすりあげ
暁の言葉に、行為に、存在に 感じている真墨は それをどうしようもなく濡らしていた
「お前の身体は本当に いやらしいな」
笑ったような声
頭がグラグラした
好きでこんな身体になったんじゃないと、言ったらからかうような目が見下ろしてくる
「きっかけは何にしろ、好きなんだろ? こういうことが」
男を誘ってやらせて、
やってる最中に襲い掛かって宝を略奪、なんて
「おまえじゃなきゃ できないな技だな」
言われて、泣きそうになりながら
それでも必死に声を堪えた
好きで抱かれたわけじゃない
誰も彼もが欲求不満の探索の旅
幼さの残る顔も、生意気な目も、若い身体も、挑発するような言葉も
男達にはたまらない性欲の対象で
何かのきっかけで理性が薄くなった時、皆が真墨の身体を欲しがるのだ
吐き気のする行為
痛みしかもたらさないもの
快楽の宴の贄となって、気が狂う寸前まで犯された記憶は、どんなに時が経っても消えず
二度目にして、短気な真墨は逃げることも守ることも諦めて放棄した
男達が自分の意志と身体を奪うように、自分は彼らから宝を奪ってやる
死ぬ思いで発掘した宝を、見つけた晩に奪って逃げる
真墨の身体を性欲の対象として見た男には、容赦なくやった
裏切りも奪略も、罪の意識なんか持たなかった
だってあいつらは、この身体を性欲処理の道具にしたんだから

「それはどうだろうな」

ずぷ、と指が差し入れられ、真墨は咽を震わせて目を閉じた
こんな場所で高められた身体は、慣れた行為にその皮膚を震わせて
じわり、と濡れた入り口がひくひくと暁を欲しがるのを隠しきれなかった
「ふ・・う、ん・・・っ」
押し広げるように浸入する暁の指が 内壁を擦り上げていく
2本、3本と増やされるのに 自然腰が浮く
がくがくと震えて、そそり立ったまま放置されたものが 透明な雫をたらして熱を増す
「ん・・・、んぅ・・・っ」
浅い息を何度も吐いた
「こんな身体して挑発的なこと言ってりゃ、誰だってひどい目見せてやりたいと思うだろ」
耳もとで、暁が言った
ゾゾゾ、と快感が背を降りていく
「あ、あ、・・・・・・あふ」
ぐちゅ、と
指に慣らされた部分が熱い
欲しいと、言ってしまいそうになる
こんな行為を、
あれ程に嫌悪して、それでも堕ちていくしかできなかった行為を求めるなんて
彼にされたいと、望むなんて

「は・・・早く、しろよ・・・っ」
冷たいコンクリートの床
同じフロアには、整備士達がいっぱいいて、
もし誰かが気紛れに こちらへ来たらと思うと気がおかしくなりそうだった
乱れた衣服も、こんなに濡れてるのも自分だけ
暁は涼しい顔をして、満足そうにこちらを見下ろしている
「して欲しいと言えば、してやる」
暁が笑った
人の悪い笑み
こんな時まで上位なのが 本当に本当に腹が立つ
彼にとっては、この行為など このまま終わったって全然かまわないのだろう
濡れて、高められて、感じて、いきたいのは自分だけなのだ
こんな風に思うのは、自分だけ

「くそ・・・っ、お前なんか嫌いだっ」
「そんな顔でよく言う」
「大嫌いだ・・・っ」
「どうせ ずっとそんな感じだったんだろう?
 生意気言ってるから、犯されるんだよ」
「な・・・っ」
ずく、と
瞬間かかった圧迫に、真墨は思わず声を上げそうになった
だがすぐに、口をふさがれる
暁の手が、容赦なく口を押さえつけた
息もできないほどに
「ん・・・・っ」
そのまま、熱か、痛みかが、身体を裂く
あれだけ慣らされても、
これだけ高められていても、
痛いものは痛い
一気に奥まで浸入されて、どうしようもなく涙が浮かんだ
意地悪な顔が覗き込んでくる
「お前は泣かせてやりたくなる顔をしてる
 むちゃくちゃに犯して壊してやりたいと思わせる
 お前が男に犯されるのは、お前が無意識にそうさせてるからだ」
覚えておいた方がいいぞ、と
言われて、必死に睨み付けた
何なんだ
自分は何もしてない
勝手に向こうが欲情するんだ
そして こんな風に力にまかせて押し倒して、奪う
こちらの意志なんか関係なく、好きなように抱く
アホ面さらしてイってるすきに殺してやる、と
いつもいつも、屈辱と怒りを抱いていた
こんな風に、
暁にされる時のように、どうしようもない疼きや
どうしようもない気持ちに なりはしなかった

今まではずっと

「御希望通り さっさと終わらせてやる」
圧迫と熱にようやく慣れた身体が ふ、と浮いた
奥に激しく突き上げられる衝動
暁の前に立った瞬間にうまれる熱いものや、疼きに届く痛み
がくがくと、身を震わせながら真墨はぎゅ、と目を閉じた
色々考えてたことがあるのに
暁に認められたいとか
わかった風な口をきく蒼太が気に入らないとか
あんな簡単なミッションさえこなせなかったことが恥だとか
お前がいれば大丈夫と思ったんだと言われて、熱くなったのとか
期待外れと言われて、泣きたくなったのとか

「んーーーーーー・・・・っ」
口を強く塞がれたまま 真墨は暁の手の中に白濁を吐き出した
同時くらいに 中に同じものを感じた
熱で気がどうにかなりそうだ
呼吸もろくにできなくて
なのにこんな風に激しくされて
ガクガク、と震える内股に 暁が舌を這わせたのにまたゾクとして首を振った
ようやく、口から手が外される
「あああ、あぅ・・・・」
荒く息をつく
遠くで、マシンが動く音が響いている
「まだいくらでもイケそうだな」
強く吸われて その部分に赤い花が咲いたのが見えた
ゾク、とする
自分の吐き出したもので汚れた服
もう何度も何度もみた こんな光景
身体に痕をつけられるのだって、大嫌いな行為だ
なのになぜ、こんなにも泣きそうな程 感じるのだろう
暁にだと、何をされてもいいと思ってしまいそうで 怖い
自分のこの感情が わからなくて怖い

「あんまり子供みたいな妬いてると 身が保たないぞ」
暁が、笑った
「何が・・・だよ」
「妬くたびに こんな風に抱いてくれって誘いに来るのか?」
「な・・・っ」
誰が妬いただと、とか
誘ったって何だ、とか
言いたいことは 何一つ言葉にならなくて 真墨は口をぱくぱくさせた
「さ・・・さそ・・・・」
「なんだ、まだ無意識なのか?
 だったら 本当におまえの不運は自業自得だな」
逆に男達に同情するね、と
言った言葉に 喚きそうになった
誰も妬いてないし、誘ってもいない
変な言い掛かりをつけるな、と
息を吸い込んだ途端、口を塞がれた
今度は、その唇で

結局、その後 真墨は起きあがれなくなるくらいまでいかされた
声を上げることができないから、身体中に力が入ってどうにもならなくて
最後には気を失って真っ白になった
「やれやれ」
遠くで声がする
「無意識なんだったら本当に魔性だな」
こっちの身も保たない、と
側で暁が笑った気配を感じた
なんとなく気持ちよくて
もう何かを考えるのを放棄して
真墨はわずかに彷徨っていた意識を手放した
蒼太に嫉妬したことも、認められない悔しさも、今は心のどこにもなくなった
注がれた熱にかき消されてしまったのだろうか
ただ、今この身体中に残るけだるさが心地よくて
真墨はそのまま 眠りに似た感覚に落ちていった


女の子お絵かき掲示板ナスカiPhone修理