午後のたわむれ
成歩堂×御剣


シン・・・、とした空気の流れる資料室
埃っぽくて、外界から閉ざされてるっぽくて
最近よくお邪魔しているからめっきり、緊張感ってものがなくなった
ここはなかなか居心地のいいスペース
警視庁の中だなんてこと、忘れるくらい

「・・・おい、成歩堂」

それは午後
ぽかぽかした外の気温が、室内にまで影響をおよぼして
難しい字ばっかりの資料を片手に いつしかうたたねをしてた俺を 奴が心配気に覗き込んでいた
同じく手に難しい資料を持って

「ああ、御剣
 おまえも調べごとか?」
「・・・こんなところで寝るな、びっくりするじゃないか」
「ん? びっくりする?」
「・・・死んでるのかと思ったぞ」
「死ぬ? わけないだろ」
「・・・・・」

ふい、と
ばつの悪そうな顔をした御剣は、そのまま窓の方へと歩いていった
ああ、そういえばあいつの弁護をした時に 資料室で狩魔に襲われたと言ったらひどく動揺して心配してたっけ
油断しているからだ、とか プロ意識がないだとかさんざん言っていたけれど
「敏感なんだよな、おまえ」
「何がだ」
「人が傷つくことに」
「・・・別に」
おまえなど、死んでようが寝てようが関係ない、と
言いつつ 御剣は小さくため息を吐くと窓際の小さな机に持っていた資料を置いた
これからアレを調べるのかな
俺もこうしてる場合じゃないんだけど
「なぁ、御剣」
「なんだ」
「もし俺が死んだらどうする?」
「・・・どうもしない」
「つめたいな、それ」
「どうしろと?」
さらり、と
返されて 俺はほんの少しヘコんで相手を見遣った
こいつが強情なのも素直じゃないのも知ってるけど
さっきの心配気な顔はあんなに可愛かったのに、と
不満に 身体が勝手に動いた
徹夜続きでちょっと 疲れてたのかもしれないけど

「なんだ、何か文句があるの・・・か・・・」

最後の方は不安そうな声で
多分、奴の想像通りの行動を俺はして、
奴は言葉の最後には動揺を隠せなかった
ちょっとうすぐらい資料室
外界から切り離された、異質な空間
埃っぽい、どこか排他的な

奪ってやったキスは、そう長くは続かなかった
「いいかげんにしろっ」
どん、と
突き放されて、物足りな気に相手を見たら ようやく俺の好きな顔をして奴はこちらを睨んでいた
「なぁ、もう一回」
「何を言うっ」
「今の足りなかった」
「ばか者がっ」
側に寄ろうとしたら ぐい、と顔を押しやられた
「みっちゃん〜」
「みっちゃん言うなっ」
頬を染めて、居心地悪そうに
悪態をつきながら、怒ったように
普段のポーカーフェイスじゃなくて、不安定な御剣の顔
それが俺は かなり好き
午後の資料室
たまらない馴れ合い
たわむれに、キスなんかしながら


女の子お絵かき掲示板ナスカiPhone修理