麒麟は、悪夢しかみない
彼のみる夢は、滅びの夢
悲しいまでに血に汚れた国
そして、微笑して去っていく王

微笑して、彼を置き去りにしてゆく王

「待って、」

麒麟は王に与えられた祝福なのです
だから、あなたは誓うのです
側をはなれず、忠誠を誓うと

側を離れず、ともに生きると

「尚隆、」

なぁ、六太
死ぬ時はおまえ、どうやって死にたい?

そうだなぁ、
とりあえずお前に殺されるのだけはごめんだな

「雁は滅ぶ、
 だがお前は死ぬな」

それは悪夢
何よりも何よりも、悪夢

「尚隆、待って」

誰が望んだ?
誓ったんだ、忘れたのか?
また置いていくのか
滅んだっていい
死んだっていい
尚隆、お前の側にいたい
尚隆、お前しかオレには何もない

「尚隆、」
「六太、お前は連れていけないよ」

どうして、麒麟は王のものだと
王だけのものだと言っておきながら
こんな別離を用意するのですか
王にいらないと言われたら、麒麟にはもう何も残らない
王が微笑って去っていったなら
麒麟はもぅ、息もできない

麒麟は悪夢しかみない
眠ることに怯える者達の
その闇が映すのは、願いと、虞れ
そうして、ゆめは続く
麒麟はやがて、悪夢へと還り それはまことのこととなる


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