最近、よく廊下や、教室や、図書館なんかでセブルスをみかける
顔をつきあわせては、むかつく顔をし合ったり、無視したり
ジェームズの言葉に嫌味で返してきたり
オレの顔をみて、不愉快そうにしたり
それはいつものことで、
そういうのがもう日常になっていて
だから、そうじゃないと何か物足りない
オレ達の日常は、そうあるべきだと思う

最近、セブルスはスリザリンの女と仲がいい

髪の長い女だった
美人とは言えないし、たいして目立つわけでもないけど その女はよく笑った
セブルスとその女は、図書館で二人で何かの本を見てたり
廊下でノートのやりとりをしていたり
放課後、庭で二人で話をしていたりした
その間、オレのことは奴の目に 入らない

せいせいする、と思った
そしてそれから妙に物足りなくなった
いつもの日常
それが、変えられてしまった
オレの知らないところで
オレに無断で

「何か最近、あいつ女と仲いいよな〜」
窓の下で本をやりとりしている二人を見てシリウスは不満気につぶやいた
「お〜セブルスの初恋か?!」
おかしそうにジェ−ムズが茶化す
「初恋?! 14才にもなってそれはないだろ〜」
笑ったけど、その言葉は気に入らなかった
ジェームズは、相変わらずそんなセブルスなんかよりもチェスに夢中で
最近リーマスといい勝負ができるようになってきたとはしゃいでいる
あの自信家には、あんなのはどうでもいいことらしい
セブルスが女と仲がいい
そんなこと、ジェームズにとっては何でもないことらしい
二人の日常は相変わらずで
ジェームズはしょっちゅうセブルスにちょっかいをかけるし
セブルスはセブルスで頼んでもいないのに、事あるごとにジェームズにからんでくる
そう、二人はいつもどおり
そして、オレとセブルスの日常だけ変えられている

ある日、廊下でセブルスとすれ違った
奴の隣には例の女
あのセブルスに限って その女とつきあっている、なんてことはないようだけれど
奴は絶対に あの女が気になってる
ジェームズが言うみたいに、初恋 真っ最中だったりして?
(あ〜気に入らね〜)
生意気にも、奴はオレを無視して通り過ぎた
いつもなら、お互い顔を見合わせて、嫌味のひとつも言ったものなのに
彼の目に自分という存在が映らないこと
それが無性に腹がたった
セブルスなんか、嫌いなはずなのに

「あのさぁ、セブルスとあんたってつきあってるの?」
「え?!」
「どーなのかな〜と思って
 二人、仲いいから」
「そんな・・・・・・私・・・・・」

たいして美人でもない女
スリザリンに美人はいくらでもいるし、もっと目立つ女だっていっぱいいる
この女の何がいいんだろう?
真っ黒い髪は、綺麗だけど
よく笑うところなんか どことなくジェームズを思わせるけど

「・・・・・・・あ〜なるほどね」
ようするに、こーゆうのがセブルスのタイプで
だからこそ、セブルスはこの女が気に入ってるわけで
だから最近 よく一緒にいるし
もしかしたら、奴はその想いを自覚してるかもしれないってことだ
「あのさ、オレあんたのこと好きなんだよね」
にこっと笑った
つまんねーこと言ってるなー、なんて自覚はあるんだけど
らしくねーことしてるなーって、思うんだけど
「オレとつきあってくれない?」
セブルスが 勝手に日常を変えたのが気に入らなかった
そんなことは許さない
オレを無視することは、許さない

その日から、その女はオレのものになった
彼女はセブルスとは一緒にいなくなった

「よっ、セブルス〜
 こないだの薬草学の宿題やった? 見せてくれよ〜」
「・・・・・・・断る
 どうして僕がお前の宿題のためにノートを貸さなきゃならないんだ」
いつもの会話
ジェームズとセブルス
二人の日常は変わらない
そして、
「やめとけよ、ジェームズ
 こいつの写すよか自分でやった方がいいって
 こいつのノートは汚すぎて読めねーよ」
「・・・・・・・お前にいわれる筋合いはない、ブラック」
オレ達の日常も戻った
「こないだの占い学のノートで懲りただろ〜
 何書いてんのかさっぱり読めねーんだから」
「お前に貸した覚えはない、勝手に人のものを見るな」
セブルスの顔が怒りの形に歪む
それを見て満足するオレ
そう、こいつはこうでなくちやならない
女なんかに気をとられて、オレの存在を無視するのは許さない
「オレ、借りるあてあるからお前のノートなんかいらねーよ」
にやり、と
奴の目を見てやったら、セブルスはフイと視線を外した
お前のお気に入りだった女は 勉強はそこそこできたんだったよな
お前みたいなガリ勉が、好んでノートをやりとりするくらいには

それから何度か、彼女といる時に奴と会った
ああ、この時間には図書館に来ることが多いのか、とか
この曜日には、復習か調べものかにこの教室を使っているのか、とか
セブルスのことが見えてくる
それじゃあそろそろ、トドメでもさしてやるか、なんて
勝手に日常を変えた罰でもあげましょうか、と
ある時、女にキスをした
セブルスが、まだそこにいるのを知ってたけれど

「お前、ガラにもないことしてんな〜」
ある時、ジェームズが言った
「君に女の子が扱えるとはね〜」
リーマスはおかしそうに笑う
二人という通り、我ながらよくやってると思う
女とつきあうってのはつまらない
好きでもない女なら、なおさら
「いーんだよ、目的があるんだから」
「あーあー、悪いこと言ってるよコイツ」
「最低の男だね〜」
悪友は、二人して楽しそうにチェスの最中
そんなのを見ながらオレは思う
これが済んだら、二度とあいつも女なんかに興味は持たないだろうって

3度、セブルスの前で彼女に触れた
髪に触れて、キスをして、抱きしめた
「人が見てる・・・・・・・」
「いーじゃん、別に」
チラ、と
奴を振り返ったら、無言で席を立ち出ていった
そろそろいい?
そろそろ懲りた?
お前が誰を好きになったって、同じことをしてやるよ?
全部奪って、お前に見せてやる
これはお前のものじゃないって
オレを無視した代償は大きいって

その日、廊下の端でセブルスをつかまえる
「何か用か?」
あからさまに不機嫌そうな顔
オレの顔を見るのも嫌だって顔
そう、それでいい
お前はいつも、そういう顔をしてる
それが、オレ達の日常だった
顔を背けている奴の、その腕を掴んで引き寄せた
「!?」
それから、驚いたようにこちらを向いた奴の唇に、キスをした
女にするみたいに、長く
途端に奴の身体がびく、と緊張して
それからもがくように腕に力が入る
たけど、放してやらない
まだ、終わってない
無理矢理に舌を入れて、中をかきまわす
「く・・・・・・・・・・・・・んっっ」
ビクビク、と
奴の身体が必死で逃げようとしているのを押さえ付けて、何度も何度もかきまわしてやった
屈辱だろ? こういうの

やっと解放された時の、あいつの顔を見た時は、快感だった
そう、そういう顔をお前にさせたかった
オレを意識してる顔
睨み付けて、怒りと羞恥でいっぱいの目
「お前、あの女好きだったろ?」
にっと笑ったら、一瞬奴は動きを止めた
「ふられて可哀想だから、間接キスさせてやったんだよ」
良かった?
「な・・・・・・・・・・・・・・・・」
みるみるうちに、奴の顔に怒りが広がる
顔を真っ赤にして、今にも泣き出しそうで
奴は頭の中をオレでいっぱいにして怒ってる
「何だったら今度、間接セックスもしてやろーか?」
思い知るがいい
勝手に女に惚れて、オレ達の日常を壊したこと
思い知るがいい
この先、誰かを好きになっても必ずオレが奪ってやるから
そして、こうして屈辱を味あわせてやるから
「・・・・・・・・・・・・・」
今にも泣きそうで、怒りで言葉のないセブルスに言った
「オレ、お前が気に入らねーから」
それが理由
それだけでいい
気に入らないセブルス
気になるセブルス
お前は、いつものようにオレ達に翻弄されていればいい
そうやって、いつもの日常を繰り返してればいい



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