それは、ある朝突然に起こった

「よぅ、スネイプ」
聞き覚えのある声にセブルスは読んでいた本から顔をあげる
黒髪の、冷たい目の
シリウスという名の少年が そこに立っている
「・・・・・・何か用か、ブラック」
あからさまに不機嫌に、セブルスは発した
いつもジェームズと一緒のグリフィンドール生
何かといってはセブルスにからんでくる、とても嫌な奴
「みんな下の村に行ったのに お前はこんなとこで一人読書?」
ニヤ、と
彼の顔に冷たい笑みが広がるのを見て セブルスは言い様のない不安が生まれるのを感じる
彼はいつも、何人もの生徒に囲まれ笑っていて
特にジェームズなんかといる時には とても楽しそうにイキイキとしていた
だが、
いったんそれらから離れると、
なぜかいつも冷たい目をしているのをセブルスは知っている
彼はよく、そういう目で自分を見ているから
睨み付けて、いるから

「別に、行く用もないから」
つぶやくように答えて、セブルスはまた本に目を戻した
だいたいどうしてブラックこそ ここにいるのだ
村へ下りられる日は、決まってジェームズ達と出ていっているのに
「ふーん、お前友達いないんだろ」
いつまでも、そこにいるシリウスに、
イラときて、セブルスはまた顔をあげた
「そういうお前こそ、
 いつものメンツに置いていかれたのか?」
ジェームズも、お前みたいなのの面倒を見るのに疲れたかな、と
悪態をついて相手を見た
どうして こうやってからんでくるのか
こちらが望んでいるわけではなく
こうして、読書の時間を邪魔され 不快な気分にさせられる
「お前みたいなののおもりも楽じゃないんだろう」
早くどこかへ行ってくれ、と
言った途端に、す・・・・と
彼の目に あの冷たい色が宿ったのが見えた
そして、次の瞬間に右の頬に熱を感じた

バシ、

音が後から聞こえて、そうしてガタンと上体が揺れて机にぶつかった
「!?」
冷たい目に見据えられ、わけもわからずセブルスは相手の顔を凝視した
何?
今、何をした?
「おまえ、目障りだよ」
ひどく低い声で、シリウスは吐き出すように言った
「お前、すっげー目障りだ」

何を言っているのだろう
冷や汗が背中を伝った
怖い、と
意識の外で認識した
だが、その時にはもう遅くて
彼の手が胸元を乱暴に掴み、セブルスはそのまま椅子から引きずり下ろされた
「何する・・・・・・・っっ」
ガタン、と
机が音を立て、椅子が倒れた
かろうじて床に手をついて上体を起こそうとしたところを、今度はその肩を捕まれ乱暴に床に押し倒された
「!?」
背に鈍い痛みが響いた
「ぐ・・・・・・」
息がつまった
一体何を ?
一体、どうしてこんなことを?

「お前さ、ジェームズの周りをウロウロすんなよ」

一瞬、言葉が返せないほどに呆れた
ポカン、とシリウスを見つめ
そしてやがて湧いてきた怒りに頭が熱くなる
「見当違いもいいところだ
 誰があれのまわりをウロウロしてるって?
 ジェームズが、勝手に僕につきまとってくるんだ」
一体、何を見ているんだ
いつ、自分がジェームズにつきまとった?
いつ、自分が進んでジェームズに近付いた?
いつもいつも、
近付いてくるのは向こうだし、からんでくるのも向こうだ
今の、シリウスのように
「見当違いなことで人に因縁をつける前に、手をはなせ」
強い力が肩にかかっている
自分を床におさえつけるようにして見下ろしているシリウスのその顔が嫌だ
冷たい表情
不安と恐怖が、同時にうまれる
「手をはなせ」
そして、さっさとジェームズ達のところへ行けばいい
「離せ、ブラック・・・・・・・」

途端、また右の頬に熱が走った
今度は痛みも同時に感じた
「何するっっ」
彼の手は自分なんかより大きくて、
背だって高くて、力も強い
恐怖が、背筋を走っていくのがわかった
「ジェームズ、とか 気軽に名前呼ぶんじゃねーよ」
吐き捨てるようなセリフ
でも、それもまともに聞けなかった
2度も頬をひっぱたかれて、
今、抵抗できない力で押さえ付けられ
どうしようもなくて、
その彼の冷たい目に、恐怖だけが降りてくる

どうして?
どうして彼はこんなことをするのか
それがセブルスには理解できなかった
目障りだといいながら、自分から近付いてきて
あげく、一方的に力で押さえ付け殴る?
理解できない
そして、そんなことを誰かにされたことが今までにない
「・・・・・何のつもりだ・・・・・・」
「お前、自分がどんだけ嫌な奴かわかってないんだな」
抑揚のない声で、シリウスは言った
「お前がジェームズの周りをウロウロするのが気に入らねーんだよ
 二度と、ジェームズに顔向けられないようにしてやろーか?」
そして、3度目 セブルスの頬に彼の左手が降り下ろされる

セブルスは恐怖していた
セブルスは今迄に、とっくみあいのケンカなどということをしたことがなかったし
当然、誰かからこうやって押さえ付けられ殴られるなんて経験もしたことがなかった
シリウスの力は強くて、ひっぱたかれた頬がジンジンと痛むのを感じる
「は・・・・はなせ・・・・・・・」
声が、自然と震えた
ここから逃げたい
どうしていいのかわからない
ただ、目の前で自分を押さえ付け、
そうやって顔色一つ変えず殴りつけてくる同級生が、怖い
「震えてるな
 いつもの嫌味も、もー言えないか?」
片手でセブルスの肩を押さえ付けながら、シリウスは空いた方の手でセブルスのネクタイとシャツのボタンを外した
ゾク、と背筋が寒くなる
何をしようとしているのか
怯えた目で、彼を見た
「ジェームズとこーゆうことしてんだろ?
 二度とできねーように、してやるよ」
一気にシャツを剥ぎ取られ、あらわになった肌にシリウスは乱暴に口づける
「あっ・・・・・・・ぐ・・・」
それは決して愛撫などと呼べるものではなく、暴力
容赦なく、その首筋に歯をたて、やがてセブルスの肌から血がにじんだ
「いたい・・・っっ」
抵抗は、むなしく
必死に逃げようとしても、シリウスの力は少しも弱まらないのだ
「いやだっ、離せっっ」
めいいっぱい叫んでも、声だけが虚しく響くだけだった
「せいぜいわめけよ
 誰も来ないし、来たって困るのはお前の方だろ」
彼の手がやがてセブルスの中心へと伸びると、ビクっと背が反り身体が反応した
「おーおー、こんなんでも感じるのか」
たいしたもんだ、と
冷たく笑われ、ザワ・・・と羞恥が頭を支配していく
「い・・・・いやだ・・・
 離せ・・・・・・・・・・っっ」
目に涙がにじんだ
逃げられない自分
大嫌いな奴に、わけのわからない言い掛かりをつけられ、殴られ
あげくにこんなことをされて
それでも、どうしようもなくされるがままになっている自分
「オレだって嫌だよ
 おまえみたいなの、抱くなんて」
ジェームズも、よくやるよな と
その言葉に 頭が真っ白になった
思考の全てが、止まった気がした

乱暴に腕をつかまれ、上体を起こさせられると、今度はそのまま四つん這いにされた
頭を押さえ付けられ、足を広げさせられる
「あ・・・・・・あぅ・・・・」
セブルスには、どうしようもなかった
がくがくと震えながら必死にもがいてみても、シリウスの力にはかなわなくて
その度にひどく乱暴に押さえ付けられたり、ひっぱたかれたりした
「い・・・いや・・・・・」
「お前が悪いんだろ」
着ていたものを全て剥ぎ取られ、あらわになった部分に固いものがあたったのがわかった
「いやっっ、いやだっっ」
もがけばもがくほど、押さえ付ける力が増す
それでも、声のかぎりに叫んで
だが、次の瞬間に 全ての動きが止まった

「あっっ・・・・・・・・・・・・・・ぎぃ・・・・・・」

引き裂くような痛み、
いや、熱さ
異物の侵入は、乱暴で容赦なかった
そのために愛撫を繰り返したわけでなく
受け入れやすいよう、準備をされたわけでもなく
それは、突然に蕾を裂くように侵入し、
無理矢理に中を開いて奥まで達した
「あぐ・・・・・・」
痛みしかなかった
声にならない痛みだけが、脳天までかけぬけていき
意識の全てを支配した

やがて、ガクガクと乱暴に振り回され
何度も彼のものが奥を突き上げ
苦しみの中、ドク・・・と熱いものを感じた
「あ・・・あぐ・・・・・・」
途端に、ズルりと異物が抜かれる
「ひっ・・・・・・」
感じることなどできなかった
高揚もなく、
背筋には冷たい汗がにじんで
涙が意思とは無関係にボロボロ落ちた
「たいして良くもないじゃん
 ジェームズも、物好きだよな」
肩をつきとばされ、その場にくずれたセブルスにシリウスは吐き捨てる
「性欲のはけ口か?
 それとも、ただのヒマつぶしかもな」
吐きそうだった
ひどい言葉
ひどい行為
そして、ひどい屈辱
「ジェームズもすぐ飽きるだろーよ
 おまえみたいな、つまんねー奴」
その前に、さっさとお前からいなくなっちまえ、と
シリウスは 言うとそのまま去っていった

傷だけが残る
ひっぱたかれた痕と、
歯をたてられたいくつもの細かい傷と、
そして、引き裂かれたあの場所
立てない程に 痛めつけられ
身体中に 痣が残った
そして、いくつもの痛い言葉が頭から離れない
好きで、ジェームズといるんじゃない
あっちからつきまとってくるんだ、と
何度言い聞かせても、どうしようもなかった
相変わらず吐きそうで
相変わらず涙は止まらない
そうして、
セブルスは、苦痛だけを抱えて去っていくシリウスの後ろ姿を見た
取り残されて、
やがてその場に静寂が戻る




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