月光浴 (スネイプ×ドラコ)


満月の夜に、月光浴をすると魔力があがる
そう、本に書いてあった

屋上へのドアをそっと開けながら ドラコは強い風に顔をしかめた
今夜は満月
先程、月は真上に上がり 黄金の光を降り放っている
(誰もいないよな・・・・・)
キョロキョロと、ドアの影からあたりを見回す
広い屋上はガランとしていて、人の気配は全くなかった
安心しきって、ドラコはドアからスルリと屋上へ踏み出す
ここは普段から立ち入り禁止
知っているけれど、ここが一番月の光が届くから
だから、最近覚えた鍵開けの呪文で錠を解いた
ここで月光浴をしたかったから
試してみたいと思ったから


今まで特にこんなことしたことはなかったし、興味もなく
魔力があがるという噂も ただふぅん、と聞き流していたけれど

(・・・・・少しでも・・・・・・・)

彼の周りには今まで彼よりも優れた者などいなかったから
彼は努力や心配をする必要がなかった
誰かが自分と並んで立っているということ
いや、それ以上に
自分よりも恵まれた才能によって 素晴らしい力を見せつけられること
それがドラコには耐えられなかった
そして、彼ははじめて努力をするということを知った
その必要に迫られた

「えーと、裸になって、月の光を額から受止め全身に浴びる」
古い本から取ったメモを開いて彼はつぶやく
「服を脱いで・・・・全部かな?」
辺りに誰もいないのはわかっているけれど、やはり外で裸になるのは抵抗があった
だが、躊躇も一瞬
ベッドをぬけだしてこんなところまで来たのだからグズグズしているわけにはいかない
誰かに見つかりでもしたら大変だ

スルスルとローブと服をぬぐと風が少し肌寒かった
(・・・・風邪ひかないかな・・・・)
だいたい2時間くらいは光を浴びるのがいいんだと書いてあったけど、そんなに保つだろうか
チラ、と時計に目をやって そうしてその文字盤に影ができているのを見付けた

「!」

ギクリとして振り返る
「こんなところで何をしている?」
その低い声
囁くような色の、冷たい言葉
「せ・・・・先生」
思わず脱いだローブを抱きしめてドラコは相手の顔を見上げた
「あの・・・・月光浴を・・・・・」
ああ、ベッドを抜け出した罰と、立ち入り禁止の屋上に入った罰
何点の減点になるんだろう
まさか、退学にはならないだろうが、それでも・・・・
「・・・・それでそんな格好か」
「ご・・・・ごめんなさい・・・・・・」
彼にとって 目の前の相手は畏怖したり毛嫌いしたりする相手ではなく、
先生として、一人の大人として とてもとても慕っている相手だったし、とても尊敬している人でもあった
ただ寮の担任というだけではない何か別のつながりを、彼はいつも求めていたのだけれど

「まぁいい、
 私も月に誘われた、今夜は目をつぶってやろう・・・」
「え・・・・・」
「寮の減点にはしないかわりに、一つ私が罰をくれてやる」
「え・・・・・・・・」
ツ、と
彼は空を見上げ、そうして光を額に浴びて目を閉じた
それからその場に座り込む
「何をしている、脱いでここへ来い」
「あ・・・・もぉ脱いで・・・」
「全部だ、全部脱げ」
「え・・・・・・・?」

下着くらいはつけているものなんだろうと思っていたドラコのその表情に スネイプは少し、ほんの少し微笑した
「どうせするなら中途半端なことはやめろ」
言われて仕方なく、
かなりの羞恥心を我慢してドラコは下着を脱いでその場に捨てた
(はずかしい・・・・・)
ひとりきりで、誰にも見られずにするからできるようなことを
まさかスネイプの目の前ですることになるとは、
まさかこんな格好を見られることになるとは、

「ここへ来い、向こうを向いて座れ」
言われて、
ドラコは彼の言うままに スネイプの足の間に腰を下ろした
彼のローブの上に座り込むと 後ろから顎に触れられその顔を上げられた
「月の光を額へ当てろ
 光を感じたら目をとじろ」
ドクンドクン、と
ただならぬ音をたてている心臓を とりあえずはやりすごし彼の言うとおりにする
空を見上げて月の光を額に感じて、そうしてそ・・・と目を閉じた
「あ・・・あの・・・・」
心臓の音がきこえやしないかと、
耐えきれずドラコは口を開いた
「なんだ?」
「月光浴って・・・本当にきくんですか?」
「汚れが落ちる
 魔力が上がるなんてことはないが、普段の汚れが洗われる
 悪いことではない」
「そ・・・うですか・・・・」
そうと知っていれば わざわざ来なかったのに
まさかこんなことになるなんて
スネイプに見つかっただけでなく、スネイプの前でこんな格好をするハメになるなんて

「おまえはそのままそうしていろ」
しばらくして、
スネイプはそう囁くと 今までドラコの肩を抱いていた手をスルリと前まで回してきた
「・・・・先生?」
「ベッドを抜け出した罰と、ここに入った罰だ」
わずかな微笑が聞き取れた
「なに、ひどいことはしない」
くびすじに、あたたかいものが触れて思わずびくりと身体が反応した
「せ・・・!??」
スネイプの舌が ドラコの白い肌の上をすべるようになぞっていく
首筋から肩へ、
そして背中へ
「せ・・・・・先生・・・・?」
ゾク、という感覚
そして、
少なからず好意を抱いている相手が自分にこんなことをしているという動揺と、緊張と、それから・・・・
「嫌ではないだろう」
囁くように問われて 一瞬で身体の体温が上がった
「あ・・・・・・」
そう、嫌ではない
行為に対して不安はあるものの、それ以外の嫌悪がない
そして、同時に身体がソワソワするような妙な感覚に捕われる
そうして、
するりとまわされた手が ドラコの細い腰を抱いて彼をスネイプの膝の上にのせた
「あ・・・・・」
「足を開け」
命ぜられ、戸惑う
そんなことをしたら、全てをさらすことになってしまう
ただでさえ恥ずかしいのに、この上・・・・
「・・・・・・」
戸惑って、もぞもぞしているとスネイプの手が彼の頬にかけられ顔を上むかせられた
「罰だと言わなかったか?
言うとおりにしろ」
「あ・・・・・・ごめんなさ・・・・い」
ドキン、として
その黒い目に魅入られて、
ドラコはおそるおそる足を広げた
自分でも見える その場所
人に見られることのない場所
それを好きな人の前にさらしてしまう恥ずかしさ
消えてしまいそうになるほどの感覚
思わず泣きそうになってドラコはあわてて顔をそむけた
だが、それも一瞬
突然に、その部分に触れられ身体がびくんと飛び上がった
「ひぁっっ」
自分でも その声に驚いてあわてて口を手でふさぐ
そうして目は、まじまじとスネイプの手ににぎりこまれている自分のものを凝視した
「せ・・・・・先生・・・・」
何をするのか、と
問いたかったが、言葉にならなかった
こういうことは、大人になってからするものじゃないのだろうか
ましてや自分とスネイプとで
男同士でしてもいいことなのだろうか
「せ・・・・」
やがて、スネイプはまるでおもちゃを手で弄ぶように彼のものを手の中でしごきはじめた
「え・・・あ・・・・・せん・・・・・っっ」
動揺と、高揚感と、快感に似たもの
今まで そんな場所を誰かに触られたことなどなかった
こんなことを、されるなんて思ってもみなかった
そして、自分はどうすればいいのかわからない
どうなってしまうのかもわからない
「あ・・あぅ・・・あん・・・・・っっあふっっ」
意識の外で勝手に自分の声がもれる
そうして それを止めることができない
「あぅ・・・あっあっっっ・・・・・・やぁ・・・んっっ」
ただ必死でスネイプのローブを掴んで、その感覚に耐えるしかない
初めて経験する快感
初めて触られた場所
そして、好きな先生
「せ・・・・せんせいっっ」
身体が熱い
奥が熱くて、本当に妙な感覚が襲ってくる
今まで知らなかった快感に、身体が敏感に反応する
ただ必死に
ただ必死にスネイプにすがっていた
どうしていいかもわからずに、
どうなるのかもわからずに、

「そろそろか?」
耳もとで彼がつぶやく
大きな波が、身体の中から外にでようと暴れている感覚が ドラコの全てを支配していた
彼の手に弄ばれ刺激を送られつづけているその場所を中心に身体中が熱い
どうにかなってしまいそうに、頭が真っ白になりそうで
何も考えられなくて
ただ、あがる喘ぎ声を止められなくて

「そろそろいかせてやろう」
妙にクリアにその言葉だけが聞こえた
途端 ドクン、と

衝撃に似た何かが あそこから身体の奥へと入ってきた
「ひぁぁっっああぁぁっっっんっっっ」
ビクビクっっ、と
背が反り身体が激しく痙攣した
そうして、
そうして彼に握られていたものは 真っ白な液を飛ばして果てた
気がおかしくなりそうなほどの快感が、瞬間手足の先まで駆け抜けていった

「・・・・あ・・ぅ・・・・」
呆然と、自分の吐いた白い液に汚れた足をみつめドラコは急激に冷めていく体温を感じていた
そして、途端一気に泣けてきた
ボロボロと涙がこぼれてどうすることもできなかった
「う・・・・うぇ・・・・・」
悲しいのでもなく、怖いのでもなく、ただ意味もわからず流れる涙と、胸の奥を揺さぶる衝動
どうしようもなくて、ただ泣いた
「なくことはない」
その言葉にまた熱いものがこみあげてくる
「うえ・・・・・」
多分ショックだったのだろう
こういうことに関して、話で聞いたことはある
一般的な知識だってある
でも、ショックだったのだ
そして、その相手が スネイプという彼が一番に想いを寄せている人であったから余計に
「泣かなくてもいい」
その大きな手で髪をなでられて、
ドラコは彼のローブに顔をうずめた
肩をやんわりと抱かれ 力いっぱいローブをにぎりしめすがりつく
そうして、そのまま目をとじた
心の衝動が、おさまるまで
張り裂けんばかりの、胸の痛みが消えるまで


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