ぼんやりと、スネイプは目の前の少年の顔を見ていた
冷たい笑みをたたえた口許
年齢にそぐわない表情だ、などと
薄い意識の中 思った

「先生、油断は禁物ですよ・・・・」

耳に届く声は、彼のものによく似ていた
それで少しだけ安堵のような、痛みのような
妙な感覚が沸き上がってくる
あの声、
昔、自分の全てを支配していた声
それに、目の前の少年のものは とてもよく似ている

「先生、ちゃんと目を開けて」

冷たい手が、顎に触れた
さして強くもない力がかかり、スネイプの顔は何の抵抗もなく上向かせられる
先程から、力が入らない
意識も薄い
どうしてだったか、
思い出すのも億劫な程に、彼は今 思考をほとんど放棄していた

「先生の薬ってすごく効くんだね」

怖いくらいに、と
少年は笑った
冷たい笑み
彼と、顔はよく似ているのに
その表情はまるで違う
まるて別物
目の前にいるのは、ジェームズじゃない

「先生、抵抗しないなら犯しちゃうよ?」

急に、強い力がかけられた
ほんの少し意識が戻る
くちづけられ、反射的に身を引こうとした
だが、両腕を戒めている細い縄によって 身動きが、できない
「う・・・・・・・・」
力ずくに唇をひらかせ、そうして舌がすべりこんでくる
「ん・・・・・・ぅ・・」
繰り返されるたび、意識が戻ってくるのがわかった
そうだ、
思い出した
どうしてこんなことになったのか
目の前の少年が、何をしようとしているのか


その日、ハリーは不機嫌だった
最近のイライラの原因を、彼は知っていて
それを自分でもてあましていた
どうしようもない
そう、こういった感情はどうしようもない
こういう日はおとなしく寮に戻って眠るのが一番だ、なんて
思っていたところに、

「ポッター、こんな夜中に何をしている」

彼が現れた
なんてタイミングの悪い、と
イライラが募るのを自覚しながら ハリーは苦笑した
なんてタイミングの悪い
今日は本当にイライラしているのだ
自分で、押さえ切れないくらい
どうしようもないくらい

彼は油断していたのだろう
それとも、まさか目の前の生徒が こんなにも不機嫌だなんて思っていなかったのか
彼を壊してしまいたいと、
毎晩毎晩思う程に、
自分を意識しているだなんて思ってもみなかったのか

ハリーの拘束魔法はいとも簡単に彼を戒め、
続けて催眠魔法で意識を奪った
なんて簡単なんだろう
なんてあっけないことか
魔法で彼の部屋まで運び、薬棚にあった薬を飲ませた
目をあけた彼は、まるで人形のようにぼんやりとこちらを見つめていた

「先生、油断は禁物だよ」

毎晩のように、イライラを募らせあきらめ意識から消してきたこと
その対象が今、目の前にいる
何の抵抗もなく、動けないよう縛られて座っている
「先生、少しくらい抵抗してくれないと、本当に僕、先生のこと犯しちゃうよ」
自嘲に似た感情がにじんだのを、ハリーは無視した
かまわない
今 手に入るなら何でもかまわない
どうせ元々どうしようもないものなんだから
どうせ叶わない想いなんだから

抵抗しない彼の服のボタンを外した
あらわになった肌は 華奢で、白かった
「先生のこーゆう姿、欲情するよ」
胸元の突起に舌を這わせると、彼はビクンと反応した
「・・・・・・ふーん、慣れてるんだ」
嫉妬だろう
よく知っている感情が心を支配した
そう、彼は自分のものじゃない
だからこうして奪うしかないのだ
「いつもは誰と、してるんですか?」
首筋に、胸に、耳に、
舌を這わせながら囁いた
背を反らせ、彼は時々声をあげる
切ないような、甘いような
それが一層、暗い心を堕としていく
「そんなに気持ちいいなら、遠慮なんかいらないよね」
自分でも驚く程、冷たい声が響いた


熱を持ちはじめた身体に、ふと開放感が生まれた
身体を戒めていた縄が解かれ、スネイプの腕は自由になった
「・・・・ポッター・・・・」
意識はだいぶはっきりしてきている
ようやく思考する力が戻ってきた
だが、力が出ない
萎えた身体に、強い重力がかかった

「先生のいい声、聞かせてくださいね」

身体を床に押し倒され、少年の体重がかかった
ツ・・・とのばされた手が 火照った中心に触れた途端スネイプは短く声を上げた
「濡れてるね
 そんなに感じてたんだ」
まさぐるように、手のひらにそれをにぎりこんで少年は笑った
「僕に感じて、先生」
それは淫らに音をたてはじめ 全身の熱が全てそこに集まったかのようにそそり立つ
無意識に声が溢れ、また思考が飛ぶ
「もっと聞かせて、先生」
彼の声
まるで彼みたいな声
聞きながら、スネイプは強い刺激に耐えかねてその白濁した液を解放した
「ふーん、いくときはそんな顔するんだ・・・」
まるで彼みたいなセリフだと、思った
彼はこんな冷たい顔はしないけれど


ハリーは自分のものが熱をもっているのを自覚していた
そろそろ我慢も限界だし、遠慮などする必要もないようだし、と
彼の足を高く上げて あらわになったその場所に、容赦なく指を突き立てた
背を反らせ反応する身体
それを押さえ付けて 指を奥まで入れてかきまわした
熱い
彼の中はこんなに熱い
喘ぎ声は、とまらずハリーを刺激する
「今度は僕をいかせてくださいね」
指をぬき、今度は自分のものを突き立てる
体重をかけ、奥へと進む
しっかりと準備されていないそこは、ハリーの侵入を拒むかのようにきつくしまる
それを力まかせに押し入れて、
悲鳴に似た彼の声を聞きながら、ハリーはスネイプを奥まで一気に貫いた

ガクガクと震える身体
だが、誰かに慣らされているのであろうその身体は ハリーの無理な行為にも やがては反応し、受け入れていく
荒い息遣いと、淫らな音に混じって、彼の声が響く
聞きながら、己の欲望を満たすためだけに何度も奥を貫いて
やがてハリーは 彼の中で果てた
同時に彼も、落ちた


身体の奥を貫く異物に、身体は痛みと快感でめちゃくちゃだった
なんて乱暴な行為
ただ己をぶつけてくるだけの、それ
だが一番奥を突かれる度に 声が上がる
脳天までしびれるような感覚に陥る
ああ、
目の前の少年は、まるで彼のようだ
そして、まるで彼とは違う
ああ、
一体どうして こんなことになったんだったろうか
意識はあちこちに飛び、
やがてスネイプは、自分の中で熱いものが放たれたのを感じ 同時にいった
そしてその後、意識を手放した


後に残ったのは虚無に似たもの
乱された彼の姿を振り返り、苦笑した
ほとんど意識のなかった彼
ほとんど自分を見ていなかった彼
バカみたいだ、と
つぶやいてハリーは部屋を出た

「今度は、意識のある時にすることにする」

つぶやきはドアの向こうに消えた
静かな夜が、戻ってくる


女の子お絵かき掲示板ナスカiPhone修理