嵐の空に似ていると思った
轟音が辺りに響き、人の気配はない
生きる者の、存在しない場所

ナチは無言で歩いた
広いステージ
僅かに残る 強い紋章の力
倒れている、少年の身体

彼を抱き上げた
冷たくて、軽かった
あとはただ、ゆっくりおやすみ
可哀想な、ルック

真っ赤な空を、ナチは無言で仰ぐ
また失った
愛しい魂が、死んだ
紋章の、渦に飲み込まれて

ルックが、死んだ
痛みは、むしろ心地いい
まだ自分が、人と同じ痛みを覚えることが心地いい
いつまで、自分はもつだろう
どこまで、いけるのだろう
もう、誰もいないのに
やがて、一人になってしまうのに

「それでも、」

ナチは僅かに笑む
少年の眠るような顔を見下ろした
それでも、
痛みを記憶する者が必要だろう
彼の嘆きを知るものが必要だろう
もう自分しかいないのだから、

「僕は最後まで、捨てない」

呪われた紋章と、呪われた生
一人になっても お前を想う
死んでいった者達を、記憶する

「おやすみ、ルック」



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