貴方にはがっかりしました
まさか、こんなところで死ぬなんて
すべてやりかけで、いなくなるなんて

「ルカ様、どうしてあなたはそう無茶ばかりするんですか」
「あれが欲しかったからだ」
「欲しければ何をしてもいいとお考えですか」
「欲しいものを取りに行って何が悪い
 待っていても何も手に入らないといったのはお前じゃないか」

いっそ貴方は純粋だったのでしょう
いっそ貴方こそ、愛されるべき存在だったのでしょう
貴方は真直ぐすぎた
そして、不器用だった
人は、ずるくなくては生きていけない時もある

「貴方には、がっかりしました」

貴方はいない
光に誘われて死んだときいた
貴方らしい、と
最初にこぼれたのは笑みだった
こんな報に、平静でいられるはずもない
貴方が死んだだなんて
もうここに、帰ってこないだなんて

「クルガン、お前だって欲しいものは力づくでも手に入れるだろう」
「そうですね、本当に欲しいものでしたら」
「オレは、そうしただけだ」
「あれが、あなたの一番欲しいものなんですか」
「・・・・・・・そうだ」

貴方の眼は何を見ていたのだろう
権力か、富か、名声か
そんなものには興味のかけらも見せなかった貴方だったからこそ、意識したのだ
貴方が一番に求めるもの
それはいつも、自分の居場所だったはず
狂王子とうたわれた貴方が
顔を上げて立っていられる場所を切望していたなんて誰が知るか
そのために、
気が狂ったように戦っていたと、誰が知る

「お前だけ知っていればいい」
「はい」

貴方がそれが欲しいといって
そのために、ただ真直ぐに進むことしか知らなくて
敵を作り、恨みを買い、呪いの言葉を吐きかけられ
それでも止まる術を知らない貴方だからこそ

「俺がここにいるのです、そのために」

何も知らない、貴方を守るために
戦うことしかできない、あなたを導くために

「ルカ様」

応える人はいない
まだ貴方は、自分の帝国を手に入れていなかった
どんなに窮屈で、どんなに息苦しかったでしょう
ここはまだ、貴方の場所ではなかった

「お許しください、ルカ様」

本当は、この結末が見えていたのかもしれない
そして、望んでしむけたのかもしれない
俺はずるい人間だから、
貴方に教えたとおり

「待っていても、欲しいものは手に入らない」

そして今、死して貴方は誰のものでもなくなった
永久に


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