パレンタイン (尽×主)


今年のバレンタインは、本命の尽とお世話になってる珪と、氷室にあげよう、と
13日の夜中、ははりきって台所に立った
何回失敗してもいいように、材料はたっぷり買ってある
尽に見つからない様 夜中にこっそり作業しようと思って 学校から帰ってきた後、たっぷり眠った
準備万端
あとは 想いをこめて作るだけ

ガシャーン

深夜、家中の誰もが寝静まった時間 その音は盛大に響いた
「きゃーっ」
湯煎してたっぷり溶かしたチョコレートが 今は床の上にぶちまけられている
「やーんっ、もぉ最低ーーー!」
調子よく、買って来たチョコを刻んで溶かしたところまでは良かったのに
「もぉーーーっ、またやり直しじゃないーっ」
何がどうなったのか、今までの苦労が台無し
床にとろとろと流れているチョコは もはや使い物にならずゴミと化す
(・・・こんなことしてたら終わんない)
はぁ、と盛大に溜め息をついて 床にしゃがみこみ掃除して
それからうんざりした顔で立ち上がった時 尽と目が合った
「こんな夜中に何してんのさ」
盗み食い? と
呆れたような顔で、尽がそこに立っている
さっきの音で何事かと起きてきたのだろう
(あちゃー)
せっかく尽に秘密で作ろうと思っていたのに
手作りだなんて言ったら きっと驚いて喜んでくれると思ってたのに
「見たらわかるでしょ」
ぷー、とふくれて は尽を睨み付けた
「チョコ作ってるんだもん」
「・・・こんな夜中に?」
「いいでしょ、別に」
「さっきの騒音はひどかったよ?」
クス、と
わざと意地悪な発言をする尽をまた睨み付け はべっと舌を出した
「そんなこと言うなら尽にはあげないもん」
「・・・俺の他に誰にやるんだよ」
「珪くんと氷室先生にあげるんだもん」
「・・・・・」
ぷん、と
そっぽをむいて また新しいチョコを刻み出すを 尽は苦笑して見つめた
やれやれ
は本気で言っているのか
本命の男相手に、他の男にも手作りチョコをあげるんだと
「そうやってまた男達が勘違いするんだよ」
「なぁに? 何か言った?」
「いいえ、別に」
こういうところが、ニブイんだよな って、と
思いつつ、尽は危なっかしいの手許を見下ろした
普通の男だったら、妬くよな
恋人が、他の男にも手作りのチョコをあげたりしたら
お世話になってるから、というなら買ったやつで充分じゃないか
それをわざわざ、本命チョコと同じものを作るだなんて
普通なら妬く
だから、この感情は 間違いじゃないはずだ

「あ、チョコが一人分足りない〜」
急に、が情けない声を上げた
「あんなにいっぱい買ったのに〜どうしてよぉ〜」
どうしてって、それは さっき盛大にこぼしたからだろう、と
思いつつ 尽はそっとを後ろからだきしめた
「きゃっ・・・」
「別に俺はいらないよ、俺の分まわしたら?」
「え?!」
驚いたように、が顔をみつめてくるのに そっとキスをした
ぴくん、との肩がふるえる
チョコの入ったボウルをもっている手が震える
「つくし・・・っ」
咎めるような、講議するような声に 尽はクス、と笑った
「俺はここでをもらうから チョコはなくてもガマンしてやる」
「え・・・」
す、と
パジャマのシャツの中に尽の手が入ってくるのを感じて はぴくんっ、と
震えて思わずボウルを落としそうになった
「ちょ・・・っ、尽、何して・・・」
ちゅ、と
首筋にキスをされ、また背中がぴくんと反った
ああ、身体が一気に熱くなる気がする
こんな場所で、こんな夜中に
「つく・・・しっ」
、それ置いた方がいいよ」
「本気なの・・・? こんなとこで・・・」
「本気だよ」
尽の手はの胸のふくらみをもみしだくようにやんわりと動き
指先で、突起をつまむようにクチリ、と動いた
「んっ」
今度こそ、本当にボウルを落としそうになって 慌てて側に置いてから はぎゅっと目を閉じた
こんなところでやったりしたら、物音とか声とかで親が親が起きてきた時どうにもならない
両親には夜中にチョコを作るからちょっとうるさいかも、とは言ってはいるが それでも
「声出さないように頑張りな」
「そんな・・・」
意地悪に、首筋にいくつも痕を残しながら 尽は僅かに微笑した
が鈍いのも
無意識に尽の妬くような行動を取るのも 他の男の気を引くようなことをするのも仕方がない
わざとじゃないし、それがの魅力なんだろうから諦めよう
そのかわり、日付けが変わったバレンタインデー
今夜はを一人占めしてやる

がくがく、と
流しに身体を預けながら は必死に声を抑えていた
尽の手は、胸から下へと下りてゆき、今は濡れた中心へ伸びている
立っていられないくらいに、足も身体も震えている
どうしようもなくて、はふるふると首を振った
「つくし・・・っ、立ってられな・・・」
相変わらず、後ろからを抱きしめるようにして、尽はその身体にキスの痕をつけている
はだけられた肩、くびすじ、背中
ツ・・・、と舌を這わせられ その度に声が上がりそうになる
ぴくん、と
尽の指が触れている部分が うずいて熱く濡れる
「尽・・・やだ・・・ねぇ・・・」
は・・・、と
喘ぎ声に似た吐息とともに、は尽に懇願した
くちゅ、と
尽の指が中へ入る感触に がくがくと一層足が萎えて、
尽が中で動かすたび、濡れた声が上がりそうになる
内股を、冷たいものが滑っていく感触に ぞぞっとした
、いつもより濡れてるね
 こういうの、好きなんじゃないの?」
「ちが・・・っ」
くちゅ、と
一層尽が音を立てるから 静かな台所にそれはよく響きの耳にまで届いた
意識が麻痺しそうになる
立ってられない
声が今にもこぼれそうで、
熱くて、うずいて、濡れて、感じて、息が上がる
「ん・・・っ」
ぴくん、と
またの背が反った
刺激に弱い花心に指を伸ばした尽の、その攻めに一瞬頭がグラっとなる
「一回いかせてあげるね」
その言葉に、ゾク、とした
「や・・・やだ・・やだっ」
クン、と
弱い部分に いつもよりゆっくりと刺激が繰り返される
それでも、立ったままこんな風にされれば たまらない
いやいや、と
泣きながら、首を振っても尽はそれをやめなかった
「尽・・・やだ、お願い・・・っ」
「だめ、やめない」
そのまま、ぐぐ、と
充血して固くなった花心を摘むようにされ、グラ、と
の意識は大きく揺れた
「あっ・・・」
一瞬だけ、声が上がる
だがすぐに、がく、と
その身体は尽の腕の中に沈んだ
ぐったり、と
今まで必死に流しにすがっていた手が 力なく投げ出された

「よくできました」
くす、と
の身体をそっと、床に寝かせて 尽はその頬に口づけた
いつもいく時上げる声に比べて さっきのは本当にわずかだった
よく我慢したね、と
意地悪に笑うと 目を覚ましたが潤んだ目で睨み付けた
意地悪、意地悪
こんな所で、こんなことするなんて
声を出すななんて、無理に決まってるのに
今にも誰か来るんじゃないかと、ドキドキして仕方ないのに
「さて、続きしようか」
「・・・・っ」
意地悪な言葉とは裏腹の、優しいキスをもらっては複雑に尽を見上げた
あんな格好のまま さんざん弄られた部分は いつもより濡れてひくひくと震えている
それを自分で感じて はどうしようもない羞恥心でいっぱいで
こんな風にされているのに、
ひどい、とか尽のバカ、とか思っているのに
「早く欲しいって顔してるよ」
「し・・・してないっ」
「ふぅん、じゃあ焦らしてあげようか?」
「・・・・っ」
尽が言うように、早く欲しくて
いつもみたいに、してほしくてうずく
熱くなって、尽が抱いてくれるのを待っている
「正直にならないと終わらないよ?」
ちゅ、と
今度は胸にキスが落とされた
そのまま尽の舌は、突起を転がすように舐め上げる
「ん・・・っ」
ぴくん、と
また下がうずいた
何をされても、どこを触られても 下まで響く
じわ、と
また濡れるのを感じてどうしようもなくなる
「やだ・・・つくし・・・っ」
わざと、指だけで中をかきまわすのも
反応しているの身体を、楽しむように見下ろすのも
そうやって、焦らすようにゆっくりな刺激を繰り返すのも
「んんっ」
ぴく、と
身体を震わせて はぼろぼろ涙をこぼした
「い・・・意地悪しないで・・・っ」
息が上がって胸が苦しい
涼し気に見下ろされて、羞恥でいっぱいになりながら はふるふると首を振った
「して・・・っ」
ただでさえ、いつもより感じているのに
自分ではどうしようもない疼きが、もはや身体中に広がっているのに
意地悪に焦らされて、やんわりと、ゆっくりと
そんな風にされたら 耐えられない
身体と頭が変になりそうで
「尽・・・っ」
ぎゅ、と
その腕にすがりついたら くす、と側で笑い声がした
「よくできました」
くちゅ、といやらしい音をたてて、尽の指が抜かれるのを感じ
次に濡れそぼった部分に 熱いものがあたるのを感じた
ドクン、と
心臓が鳴る
鳴ったと同時くらいに、それはぐぐっと強い圧迫をともなって中へ中へと入ってきた
一気に奥まで貫かれる感触
ぞわっと身体をかけていくもの
届かなかった奥の疼きまで、それは達した

「んんっ」
突き上げられる度、どうしても上がる声に 尽は苦笑してその唇を自分の唇でふさいだ
今のには、声を出さないよう、など考えられないのだろう
尽が奥を突き上げる度 乱れて身体を震わせる
悩ましく揺れる白い胸に 自分のつけた赤い痕をみつけ 尽は満足気に微笑した
の中は熱くて、ひどく濡れていて
尽自身にからみつくよう誘い込んで放さない
自分の方が保ちそうにないな、と思いつつ
ほぼ限界まで達しているを見下ろす
そろそろいかせてあげようかな、と
たっぷり意地悪したし、と
もう一度 尽はにキスをした
そしてそのまま、深く深くまで突き上げるようにを貫き くぐもった声を上げて落ちたのしめつけに ドクン、と白濁を吐き出した
台所に、やがて静寂が戻る

翌朝、尽が起きると はもう支度を終えて家を出るところだった
「早起きだね」
「尽のせいで寝れなかったんだもんっ」
ぷぅ、と
頬をふまらませ、だが真っ赤になっては鞄の中から大きな箱を取り出した
「バレンタインチョコ」
真っ赤になって、そう言うのにキョトンと
チョコのかわりに貰うものもらったよ、と
言うと はそっぽを向いた
「チョコ足りなかったから珪くんと先生のはコンビニで買うことにしたのっ」
「・・・コンビニ?」
「だって朝から開いてるとこってコンビニしかないでしょ」
「そうだけど・・・」
見下ろすチョコの箱は特大
結局 手作り分は全部尽へ回ってきたということか
順調にいけば手作りをもらえるはずだった二人は コンビニチョコにまで格下げされて
「だから先に行くからねっ」
「ああ」
苦笑して
にとっては、手作りチョコもコンビニチョコも同じなのか、と
思いつつ どうしても笑みをかくしきれずに尽はに微笑した
「ありがとう、
「・・・他のチョコもらってきたら許さないから」
(自分は他の男にあげるくせに?)
思いつつ、笑ったままひとつうなずくと は満足そうに玄関を出ていった
今日はバレンタイン
二人ともが、幸せ気分で始まる一日


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