ズル休み (尽×主)


、朝だよ」
そう言って、いつもみたいに尽が起こしに来ても はベッドから出なかった
、起きないと遅刻するよ」
もぞ、と
毛布の端から顏を覗かせると 尽はもう制服に着替えている
昨日、帰ってきてから まるでフテ寝するようにベッドに入ってそのまま
お風呂にも入ってないし、宿題だってやってないし
何より気分が最悪だった
「わかってる・・・」
つぶやくように言うと、尽がほんの少し苦笑した
「俺 今日は会議あるから先に行くよ」
「うん」
いってらっしゃい、と
生徒会の仕事で先に登校するのが珍しくなくなった尽に は言うともう一度毛布に潜り込んだ
パタン、と
ドアの閉る音を聞きながら この不快の原因について考えてみる
最近ずっと尽の側にいるの存在と、胸を傷めた珪の告白
こういう時、一番側にいて欲しいのに 尽は生徒会で忙しくてすれ違っている
昨日も、いつ帰ってきたのかわからなかった
が眠った後、帰ってきたのだろう
今日も先に行ってしまった
文化祭と後夜祭の総括の会議があるんだろう
いつものこと
わかっているけど、切なかった
(何よ、私が元気ないってわかんないの)
心の中で尽を罵って、寝返りをうつ
そこにクマのぬいぐるみをみつけた
「・・・?」
これ、尽の部屋においてあったものじゃなかったっけ
が中学生の時に 尽の誕生日に買ってあげたもの
ぬいぐるみなんて女の子じゃないんだから、と
文句をいいながら ずっと部屋に置いてくれていたぬいぐるみ
引っ越しの時も捨てずにわざわざ持ってきてくれてたやつ
(・・・尽が置いてったのかな)
それに手をのばして抱き寄せた
ぎゅってしたら、ちょっとだけ泣きそうな気持ちになる
昨日、学校から帰った後 尽はの部屋に来てくれたのだ
そして、眠ってるを見て このヌイグルミを添い寝させてくれたんだろう
起こさないように、そっと
「なによぉ、こんなのより尽の方がいいよぉ」
生徒会と文化祭で頭がいっぱいで、自分のことなんて今は気にも止めてないんだと勝手に思っていたけれど
だから今日も先に行っちゃうんだし、いつもみたいにキスもしてくれないんだと思ったのに

結局、はその日ズル休みを決行した
シャワーを浴びてすっきりして  もう一度ベッドに入るとまたうとうとと眠りに落ちていく
珪のことも、のことも今は考えたくない
なんか、疲れてしまった
尽のかわりにヌイグルミを抱いて 柔らかな眠りに身を浸す
2時間後、名前を呼ばれるまで は目を覚まさなかった

「・・・っ」
「ほにゃ・・・」
ぽすん、と
頬に何かがあたる感触に、が意識を取り戻した時 部屋には陽の光がいっぱいに入っていた
もう昼前だろうか
そんなことを考えながら目をあけると、視界にぬいぐるみの横顔が見えた
またぽすん、とそれが頬に当たる
、体調悪いの? 大丈夫?」
そして、その声は尽のもの
ああ、帰ってきてくれたんだ、と
思った途端 なんだかテレくさくて、ちょっとむかついて
は尽がぽすぽす動かしているヌイグルミに手を伸ばした
「返して、それ」
「ん?」
取りかえして、ぎゅっと抱きしめる
「尽はちゃんと生徒会忙しいんでしょ
 私はこの子がいるからいいもん」
そのもふもふした頭に顏を埋めて言うと 側で尽が笑った気配がした
「俺はいらないの?」
「いらないもん」
「そう、じゃあ 学校戻ろうかな
 が来てないって聞いたから心配になって帰ってきたけど 授業と会議があるし」
「・・・いいよ、勝手にすれば」
「平気?」
「平気だもん」
そう、と
ベッドに腰掛けていた尽が立ち上がり、そのまま離れていく気配を感じた
ヌイグルミに顏をうずめたまま、泣き出しそうになりながら
それでも強がったは、パタン、とドアの閉る音に 反射的に飛び起きた
嫌だ、
行かないでほしい
どうして、いつもみたいにぎゅってしてくれないの
どうしてそんな風に意地悪にするの
帰ってきてくれたなら、抱きしめて
キスして
好きだよ、って言って
のことを一番に考えてるよって言って、優しく笑って
いつもの我侭を、可愛いなぁって許してくれたのに
どうして今日は、そんな風に意地悪なことを言って置いていくの?
「あ・・・っ」
起き上がって、はた、と
は動きを止めた
あんまり急に動いたからクラクラして、視界に映ったものに声が出なかった
かわりに、ぼろっと涙がこぼれた
「素直じゃないね、は」
ドアの前にはまだ 尽がいた
意地悪な目をしてこっちを見ている
出ていったフリをして、出ていかなかったんだろう
わざと、意地悪をして
こんな風にを試したんだろう
「いじわる・・・っ」
ぽすっ、と
ヌイグルミを投げ付けたら それを受け止めて尽は笑った
「ごめん」
そして、泣いてるの側まで来て やっとぎゅっと、抱きしめてくれた
ああ、安心する
尽の腕の中が、一番好き
「昨日からイライラしてて、止まらない
 を壊したくなる位、俺、いやな気持ちでいっぱいなんだ」
耳もとで囁く声は、いつもより低い気がした
怒ってるの?
見上げた顔は、涙であんまり見えなかった
は俺のものだよ
 他の男には指一本触らせたくない」
抱き締める腕は痛い程、
苦しくて、息ができなくなりそうだった
そのまま、キスが降りて来る
途端に、昨日 珪にされたのを思い出してぴく、と は肩を震わせた
知っているのか、わかっているのか
尽は何度も何度もくちづける
舌をからめて、吐息を飲み込んで、熱くなるまで、震えるほどに
「あ・・・んぅ・・・」
やがて身体に力が入らなくなっても、尽はキスをやめなかった
満たされていく気がする
触れてかきまわして、わけがわからなくなるまで、何も考えられなくなるまで
「いっそ監禁しようか
 そうしたら、誰もを見ないし触れない」
を一人占めできるのに

そのまま、パジャマをむしり取るようにして いつもより乱暴に触れる尽に はただされるがままだった
安心する
こうしてひどくされると余計に、安心する
からっぽになりそうだった心がみたされていく気がする
何も考えたくない
ただ尽だけ
それだけでいい
「好きだよ、
何度も何度もささやいて、繰り返されたキスに濡れそぼった部分を 尽はそっと舐め上げた
ぴちゃ、と淫らな音が耳につく
こんな風にこの身体を何度抱いただろう
禁忌だと、警告するのを無視して 何度繋がっただろう
身体も心もひとつになって、それでも足りない二人
それでも不安になって泣いて、イライラして憤って
そうやって繰り返し身体を重ねる二人
熱を持つ身体を持て余しぎみに、伝えても伝えてもあふれる想いに溺れそうになりながら
こうやって に触れる
その欲求をつきたてる
「ん・・・っ」
は・・・、と
の息遣いが、震える内またの熱が よりいっそう尽の意識を高めていった
指で中をかき回すと、もうすっかりそうされることに慣れた身体は ゆっくりと愛液を溢れさせ まるで誘い込むように尽を奥へと導いた
花芯は何度も舌でころがされ舐め上げられて ぴくぴくと固くなり
その度には切ないような声を上げた
可愛い
もっとひどくして、もっと愛して、もっともっと触れたい
「あっ・・・・・・あぁぁっ」
がくがくっ、と
執拗な花芯への愛撫に は一度意識を落とした
とぷ、と中がまた潤うのを感じ 尽はその力をなくした足を持ち上げ 自分のものをそっとあてがった
「ん・・・」
苦しい、と
ぼんやりと、が目をあけるのと同じくらいに腰を落とす
「ん・・は・・・っ」
息を吐き出して 熱に潤んだ目を尽へと向けて
は繋がった部分が、奥が、くちゅと淫らな音をたてるのをきいた
ゾク、と
尽を全身に感じて背が反る
息が上がる
「尽・・・っ」
圧迫感より、痛みより、背筋をかけていくこのぞくぞくしたもの
それをどうしようもなくて、
濡れた音に ますます意識が高まって
はどうしようもなく 尽へと手を伸ばした
少し笑って、抱きしめてくれる
ますます、尽を奥へと感じた
「あっ」
くちゅ、と
繋がった場所から ツ・・・と伝う液に 気が飛びそうになる
「やっ・・・・あっ、尽・・・っ」
どうしてこんなに、こんなに感じるんだろうと
はいやいやと首を振った
こうして欲しかったから?
あんまり不安で、尽が遠くて
だから は尽にこうして抱いて欲しかった

「も・・もっとして・・・っ」
ぎゅっ、と
その肩に身を寄せて 喘ぐように言った
もっともっとひどくして欲しい
もっと、いっぱいにして
どうしようもない位、何も考えられなくなるくらい
「尽・・・っ」
懇願にキスが降りてきた
ぴくん、と
繋がった部分まで反応が伝わる程に 感じるキス
舌で口内をかきまわされて、それだけでいきそうになる
「あぅ・・・」
ぞわぞわと、奥にうずきが生まれてどうしようもなくなってくる
、可愛いよ・・・」
耳もとで囁き、それからゆっくりと 抱きしめていた腕をそっと解いた
そのまま、深く深く沈めていた身体を引き抜くようにし、また奥へと突き上げ
が声を上げるのを聞きながら 尽は何度もその身体を貫いた
腰が浮き、淫らな音が部屋に響く
何度も何度も、そうやっての熱を感じながら
あの舞台でのキスシーンを見てしまってから抑え切れなかった衝動を 一気に叩き込んだ
その身体を壊すかのように

一度果てても、尽は行為を止めなかった
気を落としたの身体を、さらに強く突き上げる
ああ、本当に壊してしまうかもしれない
いっそ、壊れてしまえばいいのに
「ん・・・んっ、あっ・・・・・・あっ」
擦り上げられる熱、突き上げられる衝撃、耳につく音、感じる身体
「やっ・・・やぁっ、尽・・・・・・っ」
どうしようもない位、続く行為には何度も意識を飛ばしかけた
その度に、熱と奥を叩き付けるような感覚に意識を取り戻す
それを繰り返して、やがて頭が真っ白になり、何も考えられなくなってただ尽を呼んだ
大好きな人
こうして繋がっている今が、ずっと永遠に続けばいいのに
他の人なんかいらないから、こうしてずっと 尽だけを感じていたい

許して、と
が無意識に喘いだのを聞きながら、尽は白濁に薄れていく自分の意識に身を浸していた
熱い
身体が熱い
どれだけやっても足りないけれど、今だけは二人繋がっていられるから
その事実と熱が ようやく尽を落ち着かせた
目の前で奪われたの唇に、どうしようもなくイラついて 昨日は結局眠らなかった
後夜祭の間も、イライラに支配されてどうしようもなかった
生徒会も文化祭も後夜祭もどうでもいい
だけが、尽の意識を掴んでいる

そっと、
今は静かに意識を落としているにくちづけて、尽は小さくため息を吐いた
このままどこかに隠してしまおうか
誰もいない秘密の場所へ連れていってしまおうか

誰よりも大切な人
何よりも欲している人
その名前を呼んで、尽はふ、と微笑した
今はただ この穏やかな時間が続けばいいと 祈るだけ
ゆっくりお休み、と
そして尽は もう一度 のくちびるにキスを落とした


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