雷 (尽×主)


ガッシャーン、と
大きな音が響いて、同時にがドタっと廊下に転んだ
真っ暗な夜
ここら一体が、さっきから鳴り響いている雷のせいで停電した直後

「いたーーーーいっ」
廊下に座り込んで、はぶつけた膝をさすって喚いた
父と母はそろって一泊旅行
今夜は尽と御留守番してね、と言われて
料理なんかを張り切っていたんだけれど、この停電
懐中電灯を取りに行った玄関に飾ってあった花瓶を、ひっくりかえして自分も転んだ
父が会社で使うからといって、ここにおいておいた大きな箱につまづいて

「あーん、もぉ〜」
今、家にはひとりきり
尽は試合で遅くなるらしく、まだ帰ってこない
「もーっ、こんなに暗かったら片付けできないじゃないー」
自分でひっくりかえした花瓶が割れたのに腹をたてながらが喚いた時 またひときわ大きな雷が外で鳴った
「ひゃあっ」
ぴか、と光ってすぐにおどろおどろしい音が響く
すぐ近くに落ちたのだろうか
ドキドキして、暗闇に目をこらした時 がちゃと玄関のドアがあいた
「尽っ」
大丈夫?
 やっぱウチも停電してたか」
「わーんっ、尽〜」
どの家も真っ暗だよ、と
言って尽は床にへたりこんでいるに怪訝そうにした
「こんなとこで何してるの?」
「転んだの」
「ああ、ドジだなぁ
 怪我は? 暗いから気をつけて・・・ん?」
尽が、心配そうに言って 玄関においてあった懐中電灯をつけた
辺りが明るくなり、がへたっている辺りに花瓶の残骸を見つける
「うわー・・・危ないなぁ・・・」
離れて、と
仕種でを追いやり、ガラスのかけらを拾い、
そのままタオルもってきて床をふいて、細かいかけらもふきとった
「手早い・・・」
ひとりにしておくと本当何するかわかんないな」
「むぅ・・・」
言って尽は懐中電灯をに渡し、荷物を置くとシャワーへ向かう
「ねぇ、ご飯すぐ食べるよね」
「うん」
その背中に問いかけて、笑った尽には懐中電灯を持ってキッチンへ戻った
普段料理なんかしないから、こういう時は本当に困るんだけれど
こういう時だからこそ、手料理で尽をびっくりさせてあげたくて
すごい、なんて言ってもらいたくて ははりきる
幸いこの停電でも ガスは止まってはいないから

の手料理なんて嬉しいな」
シャワーの後、尽はぎゅっとを後ろからだきしめたままキッチンにいた
「尽、手許危ないから・・・」
「気をつけてよ」
「もぉ、どいててよぉ」
「やだ」
今夜は両親がいなくて、家の中は二人きり
どこでも親の目を気にせずにいらせるのが嬉しくて 尽はを抱く腕に力をこめた
「きゃん」
「ほら、野菜落ちたよ」
「尽が邪魔するからでしょーっ」
「邪魔なんかしてないよ?」
くすくすと耳もとで笑われて は真っ赤になる
普段、家の中でこんな風にはできないから 今日の尽はいつもに比べて必要以上にべたべたしている
くすぐったくて、嬉しくて、ドキドキして
どうしようもない
二人きりになると、自然にあのクリスマスのことを思い出して頬が染まるから
鼓動が早くなるから

結局、料理初心者のが、尽の妨害に手間取り 二人が夕食をすませたのは夜の9時頃だった
「さすがに寒いなぁ」
停電でヒーターも止まっているから だんだんと夜の冷気が部屋に満ちてくる
食事の時には身体があたたまるから、そんなことは思わなかったけれど
こうして食後にゆっくりしていたら ぞくぞくと寒くなりだす
「まだ電気つかないのかなぁ」
窓の外は真っ暗で
懐中電灯は が恐いというのでが風呂に持って入った
今 尽の部屋は本当に暗闇
「ま、あとは寝るだけだからいいけど」
カーテンを大きくあけて、ベッドに横になった
ゴロゴロと、雷は相変わらず鳴っていて 雨もやみそうにない
時々窓の外がぴかっ、と光って一瞬明るくなって
だがすぐに暗闇に戻る
それを瞼裏に感じながら 尽はうとうとと眠りに片足を突っ込んでいた
だが突然に、それは覚まされる
「尽っ」
ぱち、
「懐中電灯もってきたよ」
「・・・何? 別に俺はいらないよ?」
「でもないと恐いでしょ」
(恐くないけど・・・)
はどうすんのさ」
寝てたのに、と苦笑しながら 尽が身体を起こすと はお風呂から上がりたてのほかほかの身体で尽のベッドに入ってきた
「私もここでねるっ
 だって恐いもん」
「・・・なるほどね」
渡された懐中電灯を枕元に置き、ベッドの端によっての入れるスペースを作って
もぞもぞと居心地のいい場所をさがしているのを ぎゅっと抱きしめた
「きゃっ」
「まだ寝るのは早くない?」
「えぇ?!!
 でもテレビもつかないし・・・」
とぼけたことを言っているのに そっと唇を重ねる
ぴくり、と
温かい身体が反応した
女の子のふわふわの身体
クリスマスに手に入れた、尽のもの
神様にみせつけるみたいに教会で二人肌を合わせて、朝までそこで過ごした
キスして、セックスして、愛を囁いて
、温めてよ」
悪戯っぽく言ったら 真っ赤な顔をしてこちらを見ている
「ほ・・・本気・・・?」
「俺はいつも本気だよ?」
着たばかりのパジャマを脱がせて、あらわになった胸に口付けた
あたたかくて、気持ちがいい
女の子って不思議だなぁ、と
尽は思う
柔らかくて、ふわふわしてて、あったかい
こういう風に突起を噛むようにしてやると、声を上げて感じるから
「やっ・・・はんっ」
されるがままに感じているは、いやいやと尽を見上げた
「恥ずかしいよぉ・・・」
「こないだも そう言ってたね」
「だって・・・!!!」
大丈夫、と
もう片方の突起も舌で舐め上げて、
さっき感じて震えてる方は 軽く指で擦り上げた
びくびく、と
の身体が震えて、熱い息がもれる
「すぐにそんなこと考えられなくなるよ」
その言葉にドキン、と
心臓が鳴った
頭に熱が上がっていく
尽に触れられて、弄られて、
はじめて感じさせられて、はじめて中に入れた
必死で、痛くて、苦しくて、熱くて
とうしようもなかったあの時
泣きながら尽にしがみついて、羞恥も戸惑いもいつしか消えていった
今夜も、そういう風にされるのだろうか

「ひ・・・ひどくしないでね・・・?」
「わかってるよ」
唇に深いくちづけをもらって、は不安でいっぱいの目を尽に向けた
キスと、愛撫を繰り返されて まだ下には触れられていないのに なんだか熱い気がするのだ
これからどういうことをされるのか もうは知ってしまっているから
とくとく、と
まるで鼓動をうつように あそこが熱くてそわそわする
「尽・・・」
執拗に舌で身体中を刺激されて
いつくも肌に花を咲かせて
は、震えながら尽の首に腕を回した
ぎゅっ、と
抱きつくと 優しい手で支えてくれる
「可愛いね、
そうして、囁きと同時に その秘部にスル、と手が伸びてきた
どきん、
心臓が跳ねテ、言いようのない疼きがそこに生まれた
尽の指が触れて、ぴくんぴくん、と感じる
「あっ・・・・あんっ」
勝手に出ていく声をどうしようもできないまま、はぎゅっと目を閉じた
側でくすくす尽が笑う
、ここ触る前からこんなに濡れてるよ?」
カァッ、と
全身が真っ赤になる勢いで 熱が上がった
「ほら、ここ
 触って欲しかったの?」
「やっ・・・・」
とぷ、と
濡れたそこは簡単に尽の指をくわえこんでいく
奥まで沈めて、何度かぬきさしして
その度にくちゅくちゅといやらしい音をたてるそこに、尽が意地悪に言った
は俺に触ってほしいから こんなに濡れてるんだね」

違うもん、と
反論したくても、感じることに精一杯で
喘ぐ息と勝手に上がる声に、言葉なんか出てこなくて
はただひたすら 尽の指にいじられるのに声を上げた
前の方を尽が触ると、身体が跳ねる程に感じる
自分でもよくわからないくらいに、びくびくとどうしようもなくなる
「あぁっ、あぅ・・・やっ、尽・・・そこやだ・・・・っ」
自分で自分がわからない
「ここがいい、の間違い?」
「あぁぁっ、はぁっ・・・・んっ」
ぴちゃ、と
今度は舌に攻められる
その感触に
刺激に弱い花芯を舐め上げられて 身体は本当にどうにかなりそうで
いやいや、と
は声を上げて尽にしがみついた
「あぁぁっ、つく・・・・っはぁっ」
そうして、最初の解放を迎える
の敏感な部分ばかりを攻め上げて、快感に浸し
そうして、とぷとぷと愛液を流し出した部分に そっと己のものをあてがった
可愛い
たまらない
この手に抱いて、何度でもいかせてやりたい
あの声をきくと自制がきかない

「ん・・・・」
かたいものを押し当てられ、はぎゅっと目を閉じた
最初の痛みをまだ覚えているから 背中がゾク、とするような
恐いという気持ちになる
それでも、必死に尽に腕を回して
尽が入ってくるのを待った
こうやってセックスして、繋がって
そうしたら、二人はなればなれになんかならないって気がする
尽がここにいると、安心するから

「あぁぁっ・・・・・・あぅっ」
尽が上手いからか、が初めてじゃないからか
あの時程の激痛はかんじなかった
だが濡れそぼった部分をいっぱいにする程に侵入してくるものに、自然と声が上がる
圧迫感と、苦しいのは前と同じで
奥へと達するために尽が身体をすすめると、いやらしい音が耳についた
「はっ・・・・あぁっ、尽・・・・・っ」
切ない声が上がる
たまらなくて、
の中で気をいきそうになるのをこらえながら 尽はその身体を抱きしめた
大好きな人
けして離さないと誓った人
繋がった部分は熱くて、どうにかなりそうで
そのまま二人、熱を分け合いながら高みへ達した
の中に、ありたけの想いを解放して
暗い夜 二人互いの名を呼んで

そのまま眠りについたの隣で、尽は相変わらず暗い窓の外を見ていた
雷は少しおさまった
雨は未だ降り続いているけれど
(・・・俺達みたい)
クス、と微笑してみる
雨ふり、真っ暗
まるで希望なんかないような禁忌の想い
それでも結ばれた二人
今、こうして同じベッドで眠っている
この想いは闇を切り裂く程に激しい雷みたいで
多分、世界中が敵に回ったって消えはしない
世界中が引き離そうとしたって、二人は離れはしない
雷が、遠くで今も鳴っているのに耳を傾けながら 尽は白い息を吐いた
急速に冷えていく室内
隣で眠っている温かい身体を抱き寄せて、尽もまた目を閉じた
このまま、今は幸せな夢の中へ
繋がった余韻を残したまま 二人


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