卒業 (姫×主)


もう何度も足を運んだまどかの部屋
優しい光の入る窓
外のざわめきは、の耳には届かなかった
聞こえるのは、まどかの指が鳴らす濡れた音と囁く甘い声だけ

「ん・・・っ」
熱にうかされたように、はまどかに手を伸ばした
「ん? どした?」
意地悪に言う声は、少し高い所からきこえる
「あ・・んっ」
ぎゅっ、と
その袖を掴むと すくすくと笑って一つキスをくれた
、感じてんねや・・・?」
まどかの舌が しびれる口内をかきまわしていく
「ん・・ぅ」
何度も何度も繰り返されて、今やの意識は朦朧としていた
愛撫に身体が震える
濡れた部分には、まどかが深く深くに沈んでいる
「姫条く・・」
熱い
繋がっている部分が、ずっと熱い
クチュ、と
まどかが少し動くだけで 激しい疼きが生まれ
ゆるゆると二人の愛液がまざり内股を伝っていく
・・・ずっとずっと放さへんで」
その細い腕を取り、まどかは左手の指にキスをした
異物が唇にあたる
の白い指を飾る、輝く石
それは窓から入る光にキラ、と輝いた

卒業式の後、まどかはを探していた
午前中で終わった式には、大した感慨もなく
むしろこれからが、まどかにとって大切な時間だった
(どこ行ったんや? )
友達と別れを惜しんでいるのだろうか
それとも、懐かしい校舎を見て歩いているのだろうか
ふ、と
裏の方へ足が向いて、まどかはあまり通らなかった小道を歩いていった
そこに、教会を見つけた

「エライもんがあんねんな・・・」
3年間通ったけれど、そういえば来たことなかったな、と
まどかは入り口に回り込み、開いているドアに手をかけた
ギィィ、
きしんだ音がする
中に、陽の光りをあびて、少女が一人立っていた
だった

「あ・・・っあっ、や・・」
くちゅ・・・、と
またまどかが動き出した
一度果てたは、ぐったりとまどかを見上げる
「はんっ」
まどかが突き上げる奥が熱い
いい様のない疼きが、ざわざわと身体をわきたたせるような感覚に陥り は何度も声をあげる
「あっ、あ・・・・・っ」
まどかを感じる
彼の指、くちびる、そしてその熱
舌で胸の突起を舐め上げられ、
指でその中心、弱い花芯を攻め上げられて
身体はがくがくと震えた
「あぁぁっ、あ・・・・っ」
激しいうずき
ぞくぞくと、その部分にまどかを感じて はまた意識を手放しそうになる
「姫条く・・・」
、愛してる」
どくん、どくん、と
激しい突き上げは、その度に意識を真っ白に塗り替えて
やがては、また高みへと達した
ぱたり、と
まどかの腕を掴んでいた手が、シーツの上に落ちた

「ここにおったんか、
光の中ふりかえったは、にっこり笑ってまどかを見た
「卒業だね」
「せやな」
美しい飾り窓
王子と姫の、これは恋物語りなのだろうか
にも、王子がおんねやろうなぁ」
ぽつ、と
言った言葉にが驚いたようにこちらを見た
「女の子には きっと一人一人に王子がおるんやで
 そんで、素敵な素敵な恋をするんや」
この物語りのように、と
笑ったまどかを は不思議そうに見遣る
「私の王子様は・・・」
「たとえに王子がおったとしても、オレはを手放さへんで」
その言葉を遮って、まどかは言い
ポケットから小さな箱を取り出した
たとえに、運命の王子がいたとしても、
を手に入れたんは、オレやからな」
けして手放さない
そして、逃がさない
「これ・・・?」
箱を片手でポン、と開け まどかはに差し出した
キラ、と
陽の光にそれはまぶしく輝く
「・・・姫条くん・・・」
それは白かったり、ブルーだったり、ピンクだったり
きらきらと光をはじいた、銀の指輪
輝く石のついた、
「これはな、所有の証やねん」
いつになく真剣な顔でまどかは言い、手の中の箱に目を落とした
「世界中の男に、はオレのもんやって知らしめるためのもんやねん
 これでを縛りつける
 どこにも行かんように、他の誰のもんにもならんように」
女の子の、薬指にはめるためのもの
華奢な作りの、夢のような輝きのエンゲージリング
「オレはずるい男やからな」
まどかは、を見た
愛しくてたまらない人
愛してる、と何度も囁いた
絶対に手放さない
だからこうやって、縛り付けておく

「もし、嫌やなかったら、受け取って」

は、うつむいてほろほろと涙をこぼしていた
愛しくて、抱きしめた
嬉しい、と
小さな声が返ってきた

・・・」
そっと、
汗ではりついた前髪を梳きながら まどかはその額に、頬にキスをした
力なくシーツに投げ出された指には、きらり、指輪が輝いている
嬉しいと、言ってくれた
その指に、はめる時にはドキドキした
こんな風な所有の印を、は許してくれた
何より愛しい人
何があっても、だけを愛していく

3月、春の日、卒業式
でもそれは終わりではなく 二人のこれからのまだほんの入り口


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