花火 (姫×主)


夏休みの最後の日、まどかは大量の花火を買い込んでの家へと向かっていた
今夜はと、花火デート

「ごめんね、わざわざ」
「かまへん、かまへん
 と遊べるんやったらどこでも来んで〜」
夏の夜道、二人して近くの河原まで歩いていく
昨日、偶然と会って、ひょんなことから花火大会の話になった
「オレは去年も今年もバイトやったなぁ・・・」
「私も今年は行けなかったんだぁ」
それで、本当に突然の思い付きで二人して花火をしようということになった
「明日で夏休みも終わりやからなっ
 花火大会みたいにパァーーー!!! とはいかんけど、二人でやろうや」
その提案に、はいつもみたいに笑ってくれた
「うん、やろうっ」
それで、最後の夜
こうして、二人して歩いている

河原で、二人してパチパチと子供みたいに花火に火をつけた
「おおっ、これなんかすごいやんっ」
おどろおどろしい名前の打ち上げ花火は、でっかい音を上げてパン、と小さく花を咲かせる
「こーゆう、楽しいなぁっ」
「うん」
赤や緑の光の線に、の顔がキラキラ照らされている
楽しそうに笑っている顔に、まどかはクラ、と
何かいい様のない気持ちになっている自分を感じていた
これは夏の熱さのせいだけではない
そして、
こんな風に、花火をしているだけなのに こんなにも得体の知れないドキドキした気持ちになった女の子は今迄にいない
って不思議やなぁ・・・」
ぽつ、とつぶやいてみた
まるで子供みたいなデートなのに、
いつもなら、キスの一つや二つしてるような雰囲気なのに
「え?」
「いや、なんでもあらへん」
にこっ、と
笑顔で誤魔化して、まどかはの手に火のついた新しい花火を持たせた
「オレこれ好きやねん
 七色に色が変わるんやで〜」
見ててみ、と
その手に触れたまま、一緒に花火を見ていた
ははずかしそうに、顔を赤くして
うん、と
小さくつぶやいて、少しだけ笑った
途端にふわっと風がふいて
シャンプーだか、何だか
花の匂いが鼻をくすぐった
(う・・・・・・・・)
らしくもなく、動揺している
顔が熱くなるのを感じた
(あかんっ、なんやガキみたいやんかっ)
の、髪の匂い
来る前にシャワーを浴びたのだろうか、とか
そんなことを思って一人でドキドキした
この遊び人 姫条まどかともあろうものが

(あー、暗くてよかった・・・)
次々と花火に火をつけながら、まどかはなんとか平静を取り戻した
は相変わらず楽しそうに花火の火を見ていて、
風が吹くたびに、いい匂いがからした
「なぁ・・・、
チラ、と
その横顔を見ながら言ってみる
「ん?」
「来年は、浴衣来て花火大会行こうや」
「え?」
「こーゆうのもええけど・・・の浴衣姿みたいなぁ」
にんまり、と
笑ったら は頬を染めてうつむいた
「なっ、予約入れといてエエ?
 来年の夏は、オレと花火大会」
「うん・・・」
うつむいたままだけれど、それでも肯定の返事をもらってまどかは破顔した
こうやって、一人占めしているのもいいけれど
皆の前でのいるのを みせつけてやるのも気分がいいだろうと思う
花火を嬉しそうに見ているが、こんなにも可愛いから

夏の夜はふける
一年後の約束をとりつけて


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