初デート (姫×主)


今日はを誘っての初デート
まどかは朝から上機嫌だった
そもそもは、人気者らしく 1年の終わりまで彼女のことを知らなかったことが何よりまどかは悔やんでいた
(なんであんな可愛い子知らんかったんかな〜
 まぁタイプじゃないからチェックしてへんかったんやろーけどなぁ・・・)
まったく、まどかの好みとは正反対で、
明るくて騒がしいくらいのお色気を好む自分が気に入るとは思えない程に 見た感じ大人しそうなのだ
話してみるとそうではないのだが、ぱっと見た印象がお嬢さんという感じ
優しく笑う様子は、まどかの周りにいるどの女の子とも違って新鮮だった
そう、新鮮なのだ
今、自分はどうやらお色気の女の子達に飽きてしまっている
「さーて、今日は張り切んで〜」
春の、暖かい、いい季節、
ようやくとりつけたデート
10回誘ってそうやくOKがもらえたのだ
電話一本でOKを出す今までの女の子達とはやはりどこか違う、と
まどかは そんな理由で上機嫌なのである

ちゃん、おまたせっ」
約束の時間に行くと、もうは来ていた
「おはよう、姫条くん」
にこり、
笑った顔が可愛いくて、まどかは思わずの手を握った
「えっ?!」
「デートやねんから、こんくらいはええやろ?」
「う・・・うん・・・・」
すでに真っ赤になってうつむいた様子に、まどかはたまらないものを感じた
可愛い
いちいち、手をつないだくらいで赤くなるが可愛くて仕方がない
うつむいて恥ずかしかっているの手をぐいとひっぱった
「さ、行くで
 せっかく来たんやから嫌っちゅーほど楽しんで帰るで〜」
行く先は遊園地
映画やコンサート、ボーリングにプール
色々誘って がうんと言ったのがここだった
「何に乗るんや? 何でも言ってや〜」
「ジェットコースター」
「え?! 大丈夫か? 」
「好きなのっ」
にこり、
笑った顔がどこか子供っぽいのに まどかはおかしくなった
見た目と違って おしとやかなわけではないらしい
いきなりスピードマシーンかい、と
つつこみを入れつつ、と一緒に順番待ちの列に並んだ
ちゃんと手を、つないだままで

結局、と二人で夕方まで、園内をウロウロしながら乗り物に乗ったりして遊んだ
「かーっ、ちやん意外に元気やなぁっ」
「そぉ? 今日は楽しかった、ありがとう」
出口に向かいながら、が笑う
思えば始終 は笑っていてくれた
「そっか、そう言ってもらえたら嬉しいなぁ
 また誘ってもええ?」
「・・・・うん」
にこり、
頬を染めたに、また愛しさが膨らむ
「ああ、もぉ自分可愛すぎるで〜
 そりゃモテるわなぁ、こんだけ可愛かったら〜」
今すぐぎゅ〜と抱き締めたいと思ったけれど、そんなことをしたらきっと怖がるだろうか
それとも真っ赤になってうつむいてしまうか
「ほんまにまた誘うからな」
「うん」
それで二人して遊園地を出て、の家へ向かった
送り届けた時間は6時
約束が、10時
あっという間だったなぁ、と
帰り道、一人まどかは思った
思えばのように時間ぴったりにはもう来ている女の子は少ないし、
ずっと笑っていてくれる子もめったにいない
わがままな女の子も可愛いと思うけれど、それも適度でなければうんざりする
そういうのに慣れてしまっている自分には、という存在が本当に新鮮で嬉しかった
もっと楽しませてあげたいと思ってしまうし、
もっと優しくしてやりたいと思う
(ええ子やなぁ・・・あんな子が彼女やったらええなぁ・・・)
おとなしいわけではないし、
こちらの話はちゃんと聞いてくれるし、会話は弾むし
(ちょっと本気になるかもなぁ・・・)
まどかは満足気に笑った
自分がを落としたら、周りは驚くだろうか

頭の中に、次はどこへ誘おうか、と
色んな計画を練りながら まどかは大きく伸びをした
明日もまた、の教室へ行って次の約束を取りつれなければならない
楽しい、次のデートのために


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