20. 永遠 (氷室×主)  ☆リクエスト(氷室。冬の話。プロポーズシーン)


淡い灯りに の白い身体が浮かび上がる
荒い息遣いと、切ないような、泣いているような声
真夜中、二人身体を合わせて 熱を伝えあう
水音に、高い声が上がった
そして、ぱたり、との腕がシーツの上に落ちる

・・・君を俺だけで満たしてやろう・・・」
くちづけて、繋がったまま
意識を落としたに、零一はさらに容赦なく攻めを続けた
淫らな音が耳につく
零一の昂ったものを飲み込んでいるの中は、熱くてじっとりとしていて、
そこから激しい突き上げに流れでた愛液が二人の身体を濡らす
・・・」
「んっ・・・・・・・あっは・・・・・・・っ」
何度目かの激しい突き上げに、はふいに意識を取り戻した
「あぁっ、あ・・・・はぁっ」
細い指が、シーツをつかむ
涙でうるんだ目で、必死に零一を見上げ
容赦のない行為に、背を逸らせて身をよじった
感じて、感じて、感じて
何度いかされても、解放されない
何か言いたげな彼の目を見つめながら は麻痺しそうになる意識を必死でつなぎとめた
身体中で零一を感じているこの瞬間
彼のことだけを考えていられるように
それだけが全てになるように
再び生まれた身体の奥のうずきに、は身を投げ出していく
零一が今、自分を抱いている
愛していると、言っている

今日、は葉月に告白された
卒業して2年
同じ大学で、高校からの延長で友達として仲のよかった二人
葉月とは 甘い想い出を共有しているから
他の友達に比べて特別な存在
淡い初恋の相手、緑の目の王子様
そんな彼が、今日に言った
「お前がいないと、生きていけない」
切ない目、あの頃と変わらない緑の
大好きだった男の子
葉月のことは、高校で3年間過ごす間に思い出した
それは恋愛感情ではなかったけれど、確実に特別だと感じた
大好きだった人
それは今でも変わらないけれど

「お前がいないと嫌だ
 お前がいないと生きていけない」
強引につかまれた腕をふりほどけなくて、
ただ呆然と、痛い程に真剣なその目を見ていた
「好きだ・・・・っ」
大学の、キャンパス
寒くて外に出てる人はほとんどいなかった
強い力で抱き締められて、それからキスをされた
抵抗できなかった
切なくて、痛いキスだった
涙がでそうなくらいに

「零一さん・・・・っ」
、」
何かを言おうとしたの唇を零一は自分の唇でふさいだ
いつもの、優しいキスじゃない
激しくて熱いキス
繰り返される愛撫も、繋がっている部分も
抱き寄せる腕も、言葉も
今日の零一は強くて熱くて、痛い
そうやって、泣き出しそうになるを繋いでくれる
ここに、つなぎ止めてくれる
不安にならないように

「あぁぁっ、あっ・・・・やぁぁっ」
何度も何度も限界を迎えて、
また堕ちたに、零一はそっとくちづけた
身体中に赤い花が咲いている
強く握って押さえ付けていた腕にも、その痕が
無理をさせすぎた身体は、ふるふると小刻みに震えて横たわっている
・・・愛している」
つい2時間程前に、から電話があった
夜中の12時を過ぎた時間
何かあったのかと驚いて出たら、震える声では言った
「今すぐ、会いたい」

の大学の、キャンパスの、古い校舎の階段
震えるを迎えに行った
どうしたんだと、抱きしめたらはぼろぼろと泣き出した
葉月に、好きだと言われたんだと言っていた
抱きしめられて、キスをされて、
それでも抵抗できなかったんだと、は泣いた

「実は初恋なんです」

昔、葉月のことをそう言っていたのを聞いた
何でもない顔をして聞いていたけれど、無性に妬けたのを覚えている
初恋は、誰の中でも特別だから
そういう存在が、側にいるのが疎ましかった
いつか、葉月が想いを伝えるんじゃないだろうかと
を見る目が切ない色になる彼を見て思ったものだ
その日が今やってきて、はこうして泣いている

「ごめんなさい、葉月くん
 私にも離れられない人がいるの」
「それでも・・・お前なしじゃ生きていけない」
「私も、あの人じゃないと生きてけないよ・・・」
泣いて泣いて、葉月の腕をふりきった
どうして、自分なんだろう
自分には、零一がいるから
葉月の想いにはこたえてあげられない
零一以外の人は考えられない
彼がいうように、自分ももう零一がいなければきっと生きてはいけないから
そして、だからこそ
葉月の想いがわかる
だから、涙が止まらない
キスにも、抵抗できなかった
「零一さん・・・零一さんしか考えられないようにして・・・っ」
真夜中の電話に、血相を変えて迎えにきてくれた零一の腕にすがって
いつまでも枯れない涙をこぼしながら は言った
零一の腕の中
ここが自分の居場所だと教えて
思い知らせて
他のことが考えられないくらいに、ひどくして

零一も多分、平静ではいられなかったのだろう
何度も何度も、激しく貫かれて
その度に意識を手放して、彼を感じた
繰り返される愛撫に身体も心も麻痺していく
声が掠れても、零一を呼び続けた
ここにいたい
彼の側がいい
だからどんなに苦しくても、葉月の想いには応えられない

まだ夜が明け切らない時間
はふ、と目をさました
身体をうごかすと、だるくてうまくうごけない
「ん・・・っ」
小さく息を吐いたら、側で零一が笑った
「もう少し眠ったらどうだ」
「・・・零一さん・・・」
外はうすぐらい
部屋には冷気が染みていて 頬に触れた零一の手は冷たかった
「起きてたの・・・?」
「ああ」
もそもそと、起き上がると身体を抱き寄せて抱きしめてくれた
その腕の中にすっぽりとおさまり、後ろから回された零一の手にそっと頬を寄せた
大好きな人
ここが自分の居場所
ちゃんとわかってる
「零一さん、ごめんなさい」
見上げると、零一は苦笑して首を横に振った
もういい、と
そう言ってくれているのだろうか
穏やかに微笑して、彼はの左手を取った
視界に違和感を感じる
その指にキスをされて、違和感を触感として実感した
何かがあたる
「・・・君に、いつか渡そうと思っていた」
優しい笑み
目に映ったのは、銀色のデザインリング
ああ、綺麗な石がついてる
淡い灯りにキラキラしてる
「これ・・・」
の指を飾る、これは
「君は永遠に俺のものだ」
もう一度、零一はその左手の薬指にはめられた指輪にくちづけを落とした
ドクン、
そこが一番心臓に近い、と
誰かに聞いたことがある
しめつけられるような切なさと一緒に、安堵みたいな
泣きたくなる幸福が、胸に広がった
零一が、永遠をくれると言った
今、そう言った

またほろほろと泣き出したに、零一は苦笑した
「泣くことではないだろう」
「だって・・・っ」
強く強くだきしめられて、
それでも涙は止まらなかった
「俺は君を手放さない
 誰が何と言っても、君は俺のものだ」
囁いて、零一はの髪にくちづける
想いをこめて、願いをこめて
「愛している」
それは、呪文で、愛の誓い
この腕に確かに抱きしめている存在を、心も身体も繋ぎ止める鎖

の指に、エンゲージリング
伝える言葉は、まるでプロポーズ
それは永遠に二人の時間を、繋げていく


女の子お絵かき掲示板ナスカiPhone修理