週末の過ごし方-土曜日- (氷×主)


ピアノの音が響く
優しい音は、料理のためにキッチンに立っていたまで届き、その心を優しく撫でていく
軽快で、楽し気な曲
弾きながら、零一は微笑した
不安定に上がったり下がったりするこの曲は、作った本人が音痴だからか
それともこれこそが、この曲の芸術たるところか

「ねぇ零一さん
 さっき弾いてた曲なんて曲?」
二人して食事をしながら、言ったに零一は笑った
「君の歌っていた曲だ」
「私が歌ってた?」
キョトン、と
案の定な反応に満足しながら、零一は今度はくす、と声を出して笑った
「君はよく洗濯や料理をしながら歌を歌っているだろう」
「えぇ?!! そんなの適当にフンフンいってるだけだよ?!!」
「それを弾いた」
「・・・・・・・・・・・すごーい」
食事をするのも忘れて、目を丸くした恋人を可愛いとおもいつつ、零一は悪戯っぽく言った
「歌は苦手と言っていたが、なかなかいい曲じゃないか」
「そ・・・・そんな・・・・零一さんが作ったようなもんでしょ?」
「いや、君の歌っていたとおりだが」
リズミカルだけれど音がとっぴだったり
予想できないような展開を見せたり、気紛れに音が飛んだり
「才能だな」
茶化すように言った零一に、は頬を染めて複雑な顔をした
「ねっ、あとでもう一回弾いて?」
「ああ」
それで嬉しそうに笑ったに、零一は愛しさを感じた
こういう時間が、幸せでならない

土曜の夜
学校から帰ってきたは、たいてい零一の家に来る
の作ったご飯を食べて、二人で眠って、日曜にはデート
週末しか会えないから、と
はどうやってか両親に金、土の外泊の許可を取り付けてきているのだ
おかげで週末同棲生活
ゆったりとした土曜の夜は、零一のお気に入りの時間である

ポロロン、と鍵盤からはじき出される音楽に は聞き入っていた
「すごーい、ほんとだ、私こんなの歌ってる」
ピアノの椅子の、零一の隣で嬉しそうにはしゃいだ声を上げて笑ったを可愛いと思う
家事が好きだと言って、洗濯をしたり料理をしたりと何かと世話を焼きながら、必ず歌っている歌がこれだった
鼻歌というやつだろうか
どれだけ注意深く聞いても、それが何の歌だか解らず試しにピアノで弾いてみた
の歌った不安定な音低を辿り、
音を補い曲にしていくのは楽しかった
を、奏でているような気分になったから少しだけ心が震えた
今もまた、弾きながらそういう気分になっている

「素敵〜」
無邪気に喜んで笑ったに口づけた
「んっ」
思いもよらなかったのだろうか
ピクっと、驚いたように目を見開いたままはされるがままになって
やがて目をとじて、侵入してきた零一の舌に応えるようにした
ぴちゃ、と
小さな音がして、の熱い息がもれた
隣にすわっているその腰を抱き寄せる
何度もキスを繰り返すと、の頬が紅潮する
それが愛しくて、口づけながらそっと、その服に手を差し入れた
温かい身体が、ぴくりと反応したのに咽が鳴った
一から仕込んだの身体は、今や零一が触れるとすぐさま反応をみせる
まるで零一を求めているかのようにしっとりと濡れて

「んっ・・・・・・・・は・・んっ」
ピアノの前に座ったまま、零一はを抱き寄せると一番敏感な部分に手を伸ばした
「んっ」
肩のあたりに顔をうずめて、は声を上げ
零一はまるでピアノを弾くみたいに、恋人の身体を指で触れた
「零一さ・・・・・・・っ」
濡れた部分には触れず、一番弱い部分を何度も指でこすりあげた
その度に声が上がる
びくびくと震える肩を抱いて、首筋に何度もキスをした
・・・・・・・・・」
愛しい愛しい
濡れた声を上げるのも、この行為に感じているのも、たまらなく愛しい
片手でその熱い部分に触れ、中まで指を差し入れると、一層高い声が上がった
「は・・・・・・・んっ」
中をかき回す
あの曲を弾くように
からみつくような熱をもったの中は、零一の意識を誘い上げた
こんな場所ではじめてしまったが、止まりそうもなく
の歌声のような高く低く不安定にぐらぐらする声にやられてしまった自分がいる
をそっと、抱き上げた
「あっ」
は、急の浮遊感に一瞬驚いたような声を上げて、それから零一の首に腕を回した
寝室のベッドへと運び、そっと寝かせると火照った頬と、どこかまだ恥ずかし気な表情がさらに零一をそそった
・・・・・・・」
その上におおいかぶさるようにして、手を握りキスをした
己のものをゆっくりとしずめると、いつものようには目を閉じて息をとめるようにした
何度やっても、こういう風にまるで処女のような顔をするのがたまらない
ゆっくり息を吐きながら、奥まで身をしずめると、零一はその熱くなった頬に手を触れた
・・・」
愛しい名前を呼ぶ
そうして、ゆっくりと身体を動かし、何度も奥を突き上げて
高い声が上がるのを聞きながら、達した
恋人の熱い体温を感じて

次の朝、零一が目覚めると、キッチンからあの歌が聞こえてきた
自然と微笑が浮かぶ
ピアノで弾くよりも、が歌う方が心地いい
朝の光はまぶしくて、
愛しい人の歌声は、幸福な気分にさせた
今日も、きっといい日になる


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