嵐の夜 (氷×主)


その日、朝の天気予報より大幅にペースアップした大型台風が夕方からものすごい雨と風を巻き起こしていた
そして、そんな日に限ってでかけていた二人は、まんまとびしょぬれになって帰ってきた

「うわーんっ」
玄関で、ずぶ濡れになりながらは同じく隣でぬれている零一を見上げた
今日は車をメンテに出していて、二人してたまには、と歩いて出掛けた
雲ゆきがあやしくなり、急いで帰ってきたものの、途中で雨が降り出したのだ
あっという間に、ドシャ降り
二人とも、たった5分でこの有り様だった
「天気予報の嘘つき〜
 上陸明日だって言ってたのに〜」
濡れたまま、テレビをつけたに、呆れたようにタオルをよこして、零一は溜め息をついた
慌てて二人でここに帰ってきたが、この様子では夜にはもっとひどくなるのではないか
を家に返さなければならないのに
「そのままでは風邪をひく
 シャワーを浴びてきなさい」
「零一さんも濡れてるよ」
「俺は後でいいから」
「はぁい」
素直に、風呂へと行ったの後ろ姿に、また溜め息が出た
こんなことになるなら、今日は出かけるのをやめればよかった
の着れそうな服を探しながら、零一はここまで聞こえる雨の音に耳をかたむける
ザワザワと、まるで自分の心の音のようだと思った

(ここのシャワー使うのって初めてだなぁ・・・)
一方、濡れた服を脱いでシャワーをあびながら、は何となくソワソワした気分になっていた
そもそも、今まで何度かここには遊びにきているが、
シャワーなど今までに使ったことがなく、他人の家で、
しかも恋人の家で こうして服を全部脱ぐなど初めてだった
ドキドキして、それからは苦笑した
(・・・へ・・・変なこと考えちゃった・・・・・)
外は雨
天気予報を信じきって、雨が降る前に家に帰る予定だった
さっきつけたテレビでは、夜にはもう台風が上陸すると言っていたっけ
帰れるのだろうか
こんな日に、外に出たら危ないんじゃないだろうか
(・・・・・・・・・・・・・・)
急に顔が真っ赤になった
そして、胸が異常にドキドキした
零一の顔を思い出して、それからまた頬を染めた
彼は、この状況で何と言うだろう

がシャワーからあがると、ドアの側にパジャマが置いてあった
とりあえずこれを着ておけということか
(あ、零一さんのだ)
男物のそれに思わず口元に笑みがこぼれる
なんとなく、照れくさいけれど嬉しかった
着てみると、やはり大きくて、ズボンなどガバガバで動きにくい程である
「零一さん、おまたせ」
「ああ」
未だ濡れた格好でいた零一がシャワーへ行った間、はお茶をいれるべく、もう使い慣れたキッチンに立つ
色々と、お湯を湧かしたりカップを出したりしているうちに、ブカブカのズボンが邪魔になり脱ぎ捨てた
(あ、なんだ、脱いでも平気だ)
上着の丈が長くて、ミニのワンピースくらいの長さになるのに は満足してズボンをそこらのイスにひっかけた
動きやすくなって、作業もしやすくなる
お茶を入れて、濡れた服をハンガーにかけた後、もう一度テレビを見た
各地の中継が写し出され、荒れた川の様子や豪雨の様子を見ながらは小さく溜め息をついた
(帰るの無理かなぁ・・・)
外の様子もひどくなるばかりのようで
ガラスに叩き付けられる雫の音が、静かな部屋に響いている
小さく息を吐き、決意して は携帯を取った
番号を押し、コールを数える
5回で、母が出た
「あのね、帰れそうにないんだ・・・」
雨がひどくて、と
告げると、明るい声が返ってくる
「氷室先生と一緒なんでしょう?
 泊めてもらったらいいじゃない」
「うん、そうしようと思って」
「そうしなさい、先生の迷惑にならないようにするのよ」
「はーい」
つとめて明るくそう言って電話を切って、は大きく息を吐いた
ウチが放任で良かった、と思いつつ
いつまでも、零一を「先生」といって妙に信用している母が可笑しかったり、助かったりで
娘が恋人の部屋に泊まるのをあっさりオススメしてしまうことに、どうかと思ってみたり
ドキドキ、と
それでも高鳴り出した胸を必死に抑えつつ、はもう一度溜め息をついた
こういうことは初めてて どうしたらいいのかわからないけれど
もし、零一がいいと言ったら
一線を超えてもいいと、は思っていた

シャワーから出てきた零一は、の格好に絶句した
「な・・・何て格好をしているんだっ」
頬を染めて怒ったような顔をした零一に が笑う
「だって大きくて動きにくいんだもん〜
 こんなのワンピースと同じ長さだもん、平気でしょ」
「そういう問題ではない」
「そーゆう問題だもーん」
照れ隠しに笑って、は零一の紅茶も煎れる
「いいから着なさい」
「えー」
不満気に言うと、ちょっとばかりマジメな目で見つめられた
それに、ドキっとする
「たのむから・・・・・・
イスにひっかけてあったズボンを手にして、零一がソファにすわっているの方まで歩いてきた
「そんなに気になる?
 これくらいのスカートはいてても、いつも何も言わないのに?」
上目づかいに見上げると、零一が困ったような顔でを見つめた
「気になる」
「・・・・・どうして?」
どうして、と
そのどこか無邪気な顔に、零一は目眩を感じた
に、こちらの気持ちを理解しろというのは無理な話かもしれないが
今夜、を家に返してやれないかもしれないというこの状況で
なるべく、理性というものを最大限に保っていたい零一にとって、今のの格好は そんな零一を挑発している以外の何者でもなかった
いつもの格好と同じだ、というが
状況が違うし、普段着と自分のパジャマを着ているのとでは全然違う
濡れた髪がそそるし
その表情も、くるものがある
何より、に捕われている自分にとって、
の全てを手に入れたいというのは、隠していてもずっと心の奥にあることだし
まだ恋人となって間もない少女を、
傷つけないよう、零一は最大限の努力をしているつもりだった
はこの間まで高校生だったのだから
自分の欲望のままに、好きにしてはいけないと思うのだ
が、そういうことを意識するようになって
自分を相手に許すと思う日が来たら、と
零一はそう思っている
だから、今も、
必死に衝動を抑えている
・・・・・」
溜め息まじりに名を呼ばれて、は少しだけうつむいた
零一はどう思っているのだろう
大人な彼が、いつまでもキス止まりのつきあいで満足するとは思えず
子供な自分に不満を持っているのではないか、と
はもう一度だけ零一を見た
「ね、零一さん・・・・」
「何だ?」
「今日・・・・帰れるかな・・・」
雨、ひどいけど、と
の言葉に、零一がぴくりと反応した
天気予報は相変わらずで、警報で画面は真っ赤
の言葉に、零一は戸惑いながらも平静を装いコホンと一つ咳払いをした
「雨がマシになりそうならタクシーで送っていく
 無理なら・・・ご両親が許せば・・の話だが、ここに泊まりなさい」
その言葉に、またドキっとした
「うん、泊まっていいって」
「は?」
「へへ、さっき電話したの」
こんな時に車なんか出したら危ないでしょ、と
悪戯な顔で言ったに、氷室はまた苦笑した
(まったく・・・・・)
にとったら、ここに泊まることも 遊びにくること同様平気なことなのだろうか
先に親に許可を取っておくなど、手回しがいいというか何というか
の親も、同じように考えているのだろうか
氷室先生だったら安心、と
(・・・・・・・・・)
複雑な思いに、零一は苦笑した
自分の生徒だったとつきあうのだから、と
一応軽く挨拶はしたが、
その時も笑って うちの子を宜しくと言っていたっけ
は母親似か、と
そう思った途端、ぐいっと腕をひっぱられた
「?!」
あんまり強く引かれて、
考え事の最中で、ふんばることもできず、零一はの座るソファへどさっと膝をついた
「・・・どうした・・・?」
「零一さん、何考えてるの?」
その声が少しだけ震えているのに気付く
「何・・・・って」
今日は理性を保つために、キスもしないでおこう、と
教師であった頃を思い出して色々と我慢していたのが、一気に崩れそうな気がした
間近にがいて、
頬を染めて、こちらを見ている
「・・・・・・君は・・・・まったく・・・・・・」
胸元のボタンは開いているし、何よりズボンは着ていないし、
あげく距離をとっていたのをつめられてしまった
零一は、大きく溜め息をついて それからその唇にくちづけた
少し、冷たいと感じる
雨に濡れて身体が冷えているのだろう
深く深く、口づけて ぴくりと反応した舌をからめとった
「ん・・・・・・・」
角度を変え、中をかきまわし、熱い吐息が漏れて が苦し気に眉を寄せても、
零一はキスをやめなかった
一度触れてしまったら、止まらない
そんな気がした
むさぼるように口づけて、何度も舌で中をかき回すと
やがての腕から力がぬけた
「れ・・いちさん・・・・・」
一気に、体温が上がる気がする
その顔がそそる
紅潮した頬、赤く濡れた唇
揺れる、濡れたような目
・・・・・」
今度は、その白い首筋にくちづけを落とした
きつくすると、赤い花が咲く
「ん・・・っ」
されたことのない行為に、がぴくりと肩を震わせて小さく声を上げた
何度もその首筋にキスを繰り返し、濡れた髪を梳き、
その身体を抱きしめた
この少女の全てが欲しい、と
そう思った


いつものキスとはまるで違うそれに、半ばボーっとなりながら は零一の声をきいていた
「君が欲しい」
火照った頬に、彼の冷たい手が触れるのが気持いい
彼の腕に抱かれて、何度もキスをされてドキドキしている
「君の、全てが」
その行為は、知らないことだらけで泣きそうになるほど不安だけれど
「うん・・・・・・・零一さん」
零一さんなら、と
部屋中に響くようなドキドキを聞きながら は言った
彼の目が、少しだけ揺れたのを見た

零一は、何度もキスを繰り返しながら、のシャツのボタンを外した
露になった形の良い胸のふくらみに手で触れて、優しく揉みしだき先端をこするようにする
「あ・・・・・・っ」
途端に恥ずかしさが頭を支配して、はうつむいて顔を隠した
見られたのも初めてだし、もちろん触られるのも初めてで
ドキドキしている中、零一は首筋から胸へと舌を這わせて下りてゆく
「ん・・・・・・・・・」
なるべく声を出さないようにしながら、は触れられる感触に耐えた
彼の舌が突起を転がすように舐めあげると、さすがに声が上がった
「ひゃ・・・んっ」
慌てて口を塞ぐも、その反応に零一は少しだけ微笑して今度はカリ、と歯をたてた
「んっ」
彼の手が、指が、舌が、唇が、
の身体を撫で上げていく
その行為と、感触に
身体が熱くて、どうしようもなかった
やがて彼の手が、するっと下へ下りていく
今までにない程にドクン、と
は身体中で反応した
下着は彼の手で、あっという間に取られ それでは真っ赤になった
「れ・・・零一さん・・・・・・・」
もじ、と
身体を縮めるようにしたに、零一は軽く口付ける
「大丈夫だ」
低い、優しい声
それで恥ずかしいのが消えるわけではなかったが、
それでもは少しだけ安心した
そして、その肩に顔をうずめる
傷つけないよう優しくしてくれている零一が大好きだから
不安はあるけれど、嫌ではないから
「零一さん・・・・・・」
彼の指が、その部分に触れたのに ぎゅっと目を閉じた
心臓が破裂しそうだった

すでに濡れたその部分に指で触れ、零一は腕の中でぎゅっと目を閉じているを見下ろした
愛しい少女
はじめてのことに、こんな風に必死になっているのも、
こうして、この行為に濡れて震えているのも、愛しい
ゆっくりと、敏感に反応する部分を探しながら、零一はの中へと指を入れた
「や・・・・・・んっ」
濡れた部分は、すんなりと零一の指を受け入れ、
中は熱くて、きつかった
それを広げるように中をかき回すと、びくびくと、は肩を震わせて小さく何度も声を上げた
ぞくぞく、と
たまらないものが零一を支配していく
中をかき回しながら、指で固くなった花芯にふれた
「あっ・・・・あっ」
びくびく、と
途端には大きく背を反らせて身をよじった
「んっ」
眉を寄せて、目をぎゅっと閉じて
その表情に、何か黒いものが広がっていくのを感じる
もっと、もっとひどいことをして
泣かせてやりたいと思うような、
こんなにも大切にしているを、もっと追い詰めてやりたいような
・・・・・・」
反応のいい、その花芯を集中的に指で擦ると、は声をあげて身をよじった
「あっ・・あぁあっ、や・・・・っ」
口付けを胸のツンと立った突起に落としながら、
片腕での身体を抱き、
あいている方の手で、敏感な部分を攻め上げていく
「れ・・いちさんっ」
熱い息を吐きながら、切ないように眉を寄せ
は懇願するように首を横に振った
「どうした? 嫌か?」
耐えず指を動かして、濡れて淫らな音をたてはじめたその部分をかき回す
同時に容赦なく、執拗にその弄られ張りつめた花芯を弄ばれ
は身体がどうにかなりそうな感覚に襲われた
「や・・やっ、れーいちさんっ・・・・」
どうしようもない
触れられている部分が、どうしようもなく熱くてうずいて
彼の指にかきまわされて、中も熱くてどうにかなりそうで
「や・・・・やぁっ、あぁ・・・・・・・・・っ」
どうしようもない身体がじれったくて、
そして、この行為で与えられている刺激に、恥ずかしくもこんなにも反応してしまっていて
「は・・・・んっ」
涙目になりながら、は零一を見上げた
どうにかしてほしい
どうしようもない
この感覚
こんなにも、熱くてうずいて、
こんなのは初めてで、どうしていいのかわからない
「あっ・・・も・・・・もっ・・・・許して・・・っ」
ふるふると、
首を振りながら、涙をにじませた
零一は少しだけ微笑した
もっとひどいことをしてやりたいと思うけれど
それ以上に自分が、これ以上はもちそうになかった
・・・・」
愛しい名を呼んで、それからその体温の上がった足を開かせた
「あ・・・・・・・」
急に指が抜かれ、が小さく声をあげる
、」
一度、に口づけた
それから、への想いにそそりたった自分のものをその濡れた部分にあてがった
そのまま、ゆっくりと腰を進めると が小さく声を上げる
「ん・・・・・・・・っ」
ぎし、と
ソファがきしんだ音を上げた
体重をかけ、身体の下で苦し気な顔をして目をぎゅっと閉じているを見下ろす
「あ・・・・っ」
はじめて異性を受け入れるのそこは、指で慣らしたとはいえ狭くて
圧迫に、氷室はほんの少し顔をしかめた
それでも、ゆっくりと体重をかけ、その熱くて濡れた場所へ侵入していく
・・・・力を抜きなさい・・」
「あ・・・う・・・・・・・・・・・・っ」
痛みに耐えているのか、
は相変わらず目を閉じたままで、
やがて一番奥まで達すると、零一はそっとの額にはりついた髪を梳いた
「れ・・・・いちさん・・」
その感触に、が苦し気に目をあける
濡れた目が、いっそうそそった
の中が熱くて、
その内壁がねばりつくように零一にからみついてくる
ドクン、と
零一は、のその表情にまた黒い気持ちに支配された
・・・・・・」
その手を握り、ゆっくりと腰を動かすと、またが苦し気に顔をゆがませた
「あっ、あ・・・・・っ」
濡れた音と、皮膚のぶつかる音が淫らに静かな部屋に響く
荒い息づかいと、の悩ましい声が零一の意識を高めてゆき
激しく何度も奥を突き上げられ、
中をむちゃくちゃにかき回されて、は何度も意識を飛ばしそうになった
頭が真っ白になっていく
熱くて、苦しくて、痛くて
それから、わけのわからない感覚が 身体の中心をずっとずっと支配した
「あっあっあ・・・・・・・・・っ」
・・・・っ」
激しい突き上げに、
身体の芯が外れたような、
タガが壊れたような そんな感覚があって
それから感じたことのないような激しい衝動を感じた
これが快感というものだ、と
わからないまま、理解しないままに、
は熱いものを感じながら 意識を手放した
あとはただ、真っ白になるばかり

の中に白濁を吐いて、零一は小さく息を吐いた
気を失ったに口づける
紅潮した頬と、汗に濡れた額にもキスをして、それからそっと身を放した
愛しい少女
大切な少女
全て手に入れたいと言って、
こんな行為を受け入れてくれた
はじめてだっただろうに、無茶をしてしまったかもしれない
途中で理性などふっとんで、
やりたいままに、貫いた
もっと優しくしてやればよかったか、と
零一は一人苦笑した
を前に、冷静でなどいられないのだけれど

意識を落としたままのを抱き上げ、寝室のベッドへ運ぶと零一はそっとその髪を撫でた
身体中に赤い花を散らして眠っている少女
愛しくてたまらなくて、しばらく零一はここから離れることができなかった
窓の外は相変わらず雨
二人を外から隔離して、嵐が近付く


女の子お絵かき掲示板ナスカiPhone修理